研究課題/領域番号 |
06555194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
松尾 達樹 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (40243125)
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研究分担者 |
山根 秀樹 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 講師 (30191365)
西村 太良 京都工芸繊維大学, 地域共同研究センター, 助教授 (30027883)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 古紙 / 緩衝材 / 発泡 / 成形材 / 発泡成形品 / 衝撃吸収エネルギー / 繊維医療物 / 圧縮特性 |
研究概要 |
(1)本研究は古紙ならびに繊維廃棄物から実用性のある緩衝用成形材を作り出す方法を見出すことを目的とし、特に古紙からのそれに重点をおいて検討した。実用性のある成形材としては机上設計的にはある一つの解答を見出したが、その具体的な製法を見出すまでには至っていない。 (2)すなわち古紙破砕物を(水溶性熱可塑性樹脂/発泡剤)系と乾式混合し、これを加熱形成し古紙ネットワーク構造体(図1)を作り出せば良いことはわかったが、この実現方法の鍵となる適切な樹脂/発泡剤系を見出すこと、これと古紙破砕物との混合物の粒子の製法についてはまだ手が届いていない。 (3)繊維屑からの緩衝体モデルとして融着系繊維塊を取り上げた。また緩衝特性の第1次的な近似モデルとしてこの繊維塊の圧縮特性を検討した。その結果、繊維塊ではその圧縮特性に繊維の配向効果が強く現れること、またこれらの圧縮特性は異方性セル構造体の理論モデルで解釈できそうなことがわかった。 (4)高分子系である代表的な3種の緩衝剤(ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、融着性繊維塊)について、圧縮特性を緩衝効果の観点から検討した。これら3種の緩衝材はセル構造体特有の逆S字型圧縮変形特性を示すが、ポリスチレンは後2者に比べて10倍以上の応力値を示すことがわかった。これらのことから、強い衝撃に対してはポリスチレンフォーム、低い衝撃に対してはポリウレタンフォームや融着性繊維塊通い緩衝効果を有している。また同種の材料では一般に高密度品はより高い衝撃に対する緩衝に、低密度品はより小さい衝撃に対する緩衝に適しているといえる。
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