研究課題/領域番号 |
06555196
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研究機関 | 宮城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
田口 収 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (30042253)
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研究分担者 |
高橋 洋一 (株)東京ダイヤモンド工具製作所, 仙台工場製造部, 製造係長
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
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キーワード | ダイヤモンド / ぬれ / 接触角 / 界面反応 / 炭化物 / 静滴法 |
研究概要 |
本研究は、機能性ダイヤモンド材料の実用化において重要である、ダイヤモンドと溶融金属のぬれ性を調べ、ダイヤモンドと金属との接合用合金材料の開発をめざしたものである。本研究の研究実績として以下の点があげられる。 純金属(Al、CuおよびAu)とダイヤモンドとのぬれの温度依存性では、Cuのぬれは温度に依存しないが、AlとAuは温度依存がある。特にAlは高温において著しく接触角が低下し、ぬれ性が良好になることが明らかになった。これらの金属にTiを添加した場合、Al‐Ti、Au‐Ti合金ではぬれの温度依存性が顕著になる。ぬれの時間依存性では、AlおよびAl‐Ti合金の接触角はぬれの初期から時間に依存し減少する。特にAl‐Ti合金はTi含有量がわずかでも著しく変化する。一方、AuにTiを5.0at%添加してもぬれの時間依存はAuと大差がなかった。ダイヤモンドと溶融金属とのぬれの温度依存や時間依存を調べた研究報告はほとんどなされておらず、本研究により貴重な情報が得られた。実験終了後、SEMおよびEPMAを用いた接合界面の組織観察では、ぬれ性の良好であったAlおよびAl‐Ti合金において特に興味ある現象が見いだされた。即ちこれらの金属では凝固した液滴金属とダイヤモンドとの接触界面でAl4C3の結晶状化合物が形成され、Tiを含有する場合には、炭化物を形成しやすいTiがダイヤモンドと液滴との界面に富化することが分かった。組織観察の結果からダイヤモンド‐Al系のぬれの温度依存や時間依存は炭化物形成による界面反応が重要な寄与をなしていることが指摘される。接合強度に関する情報を得るために、機械的な剪断試験を行った結果、剪断強度は大約Cu<Au<Au‐Ti<Al<Al-Tiの順であった。
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