研究課題/領域番号 |
06555209
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木塚 徳志 名古屋大学, 工学部, 助手 (10234303)
|
研究分担者 |
石田 洋一 東京大学, 工学部, 教授 (60013108)
田中 信夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40126876)
|
キーワード | 高分解能透過電子顕微鏡 / 電子顕微鏡 / その場解析 / 電子線加工 |
研究概要 |
本研究の電子顕微鏡用接合ホルダーに使用する接合方向の粗動用モーター、微動用ピエゾ素子、ピエゾ素子駆動用電源などを選定し、具体的に接合ホルダーを設計し、第1号機接合ホルダーを完成させた。完成した接合ホルダーの可動側、固定側に針状に加工した金属線を固定し高分解能電子顕微鏡内に挿入し可動側試料の動きを調べた。これにより粗動モーターの移動特性及び微動用ピエゾ素子の電圧-移動距離関係を電子顕微鏡観察レベルの空間分解能で把握することができた。このような予備的な実験を繰り返すことにより接合ホルダーの局所的な修正を加えより完成度の高い第2号機、第3号機を製作した。実際に完成した接合ホルダーの接合位置調整機能は期待通りの移動範囲と精度をもつものであった。十分な性能が達成されたため、当初予想していたような限られた形態の試料だけでなく針状試料どうしでも接合、もしくは接合可能な距離までの接近が可能であることがわかった。すなわち本接合ホルダーには本来の目的に応じるだけでなく高分解能透過電子顕微鏡とトンネル顕微鏡の両手法を用いて試料の表面に垂直な方向と平行な方向から原子レベルで同時に実空間どうしで観察できる能力があることがわかった。これは現代の電子顕微鏡学的、材料学にみて極めて重要な結果である。 本研究で明らかにされた以上の成果は、現在の接合工学研究では全く触れられていなかったことであり、新たな接合法の開発の糸口になるものである。本研究で得た成果は材料学的に高く評価されており、申請者は本多記念研究奨励賞(1995)、日本金属学会奨励賞(1995)、アメリカ材料学会国際材料組織写真賞(1995)、および同第三位(1995)、日本金属学会組織写真賞(1996)、同佳作賞(1995)、同奨励賞(1995)を受賞した。
|