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1994 年度 実績報告書

真空吸引脱ガス法におる融体の脱ガスの高効率化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06555221
研究種目

試験研究(B)

研究機関名古屋大学

研究代表者

佐野 正道  名古屋大学, 工学部, 教授 (70023174)

研究分担者 平沢 政広  名古屋大学, 工学部, 助教授 (90126897)
キーワード融体 / 溶鉄 / 高純度化 / 真空脱ガス / 多孔質耐火物 / 脱炭 / 脱水素 / 脱酸
研究概要

本年度においては、真空吸引脱ガス法により、溶鉄の脱炭、脱水素、脱酸に関する実験を行った。本脱ガス法は、ガス透過性、融体不透過性の多孔質耐火物により融体と外界を仕切り、外界を真空(減圧)にすることにより、融体と多孔質耐火物の界面で生成したガスを迅速に吸引、除去するため、反応界面積を大幅に増加し、脱ガスを促進することができる。なお、使用した多孔質耐火物は新たに購入した冷間等方圧プレスにより自作した。
溶鉄の脱炭に関しては、比較的低炭素濃度域(数百ppm以下)において、管内を減圧(数mmHg〜200mmHg)にしたAl_2O_3-〜30%Fe_2O_3多孔質管を浴中に浸漬して実験を行った。Fe_2O_3含有率の増加とともに脱炭速度が顕著に増加するが、浴中酸素濃度が高くなる傾向があった。なお、Fe_2O_3含有率が30%の場合、多孔質管の高温強度が不足したため、実験中に変形し、ガス透過性が不良になった。
溶鉄の脱水素実験は、Al_2O_3多孔質管を浸漬して行った。溶鉄の脱炭と同様に、本脱ガス法は有効であり、脱水素速度を増加させることができた。なお、この場合脱水素は浴表面においてもかなり進行するため、浴表面と多孔質管表面における脱水素速度を分離して評価した。溶鉄の脱水素反応機構を検討した結果、反応速度は液側とガス側の物質移動の混合律速であることが明らかになった。
溶鉄の脱酸は、MgO-10〜30%Cの組成の多孔質管を用いた。この場合の脱酸反応機構はかなり複雑であり、まだ完全には解明されていないが、現時点ではつぎのような機構が考えられる。溶鉄中の酸素は、多孔質管に含まれる炭素と直接反応してCOを生成する他に、MgOがCによって還元され、生成したMgとの反応によってMgOを生成することにより、脱酸が進行することが推定された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐野正道: "真空吸引脱ガス法による溶鉄の脱水素速度" 材料とプロセス. 7. 1112 (1994)

  • [文献書誌] 佐野正道: "真空吸引脱ガス法による溶鉄の脱炭に対する浸漬管のFe_2O_3含有量の影響" 材料とプロセス. 7. 1113 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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