研究分担者 |
提 香津雄 川崎重工業株式会社, 技術開発本部, 係長
大山 恭史 北海道工業技術研究所, 資源エネルギー基礎工学部, 通商産業技官
武内 洋 北海道工業技術研究所, 資源エネルギー基礎工学部, 主任研究官
千葉 繁生 北海道工業技術研究所, 極限環境材料部, 室長
近藤 和夫 北海道大学, 工学部, 助手 (50250478)
CHIBA Sigeo Hokkaido Ind. Res. Inst., Energy Resource, Princ.Res.
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研究概要 |
表面複合型サブミクロン微粒子の大量生成プロセス開発のため,Si_3N_4のAlNによる気相反応法での被覆を例にとり,反応装置形式および生成条件を検討した。シ-ド微粒子は取扱いを容易にするため回転振動篩で数10から数100μmに転動自己造粒して用いた。流動層中央部にドラフトチューブを懸垂し筒内下方からAlCl_3を供給し含ませた造粒物を筒上端から横溢させ,環状部でNH_3と接触して造粒内にAlNを析出した。造粒物の層内循環により反応時間を制御した。その際,分散板に反応が析出するのを低減するため種々の構造を検討したが十分には避けられず,連続操作が困難であった。そこで,分散板の不要な連続気固接触装置として向流式の移動層を設計・製作した。高温の反応管内で上昇気流中を粒子が安定に重力流下し,滞留時間を調節するため反応管底部のオリフィス径を変化させた。従って,造粒径には自ずと上限がある。一回通過では析出濃度は低いが、加熱領域を大きくし,ガスの圧損を小さくする構造にして連続操作が可能になった。 その結果,SEM観察により反応の前後で凝集体の形状変化が無く,XRDの組成分析でAlNの回折線が認められ,EPMA分析で凝集体内部にAlが析出していた。これらから,供給ガス濃度を上げ,高温で、長時間かけると、小造粒径ほど高率で被覆できることが分かった。しかし,造粒物内部に一様にAlNを分布させるには,反応温度を下げた方が良く,最適操作温度が存在する。 これを,一次反応式を仮定した未反応核モデルにより物質収支を反応管軸方向での造粒物の見かけの被覆率変化をシミュレートし,さらに,詳細な多孔質内拡散律速モデルにより,造粒物内半径方向の析出濃度分布を解析して、実験結果を説明できた。
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