研究課題/領域番号 |
06555227
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東谷 公 京都大学, 工学部, 教授 (10039133)
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研究分担者 |
神田 陽一 京都大学, 工学部, 助手 (60243044)
森 康維 同志社大学, 工学部, 助教授 (60127149)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 表面 / 電気二重層 / 吸着層 |
研究概要 |
1.原子間力顕微鏡画像の高精度化 原子間力顕微鏡は、探針と試料の相互作用力を利用しているので、得られる画像は、探針の形状、角度の影響を大きく受ける。球形単分散粒子を校正に用いることにより、探針の角度や曲率半径の推測が可能となった。さらにこの推測値から、試料の真の形状を推測することが可能となった。 2.相互作用力測定用カンチレバ-の開発 エポキシ系ボンドにより、原子間力顕微鏡のカンチレバ-先端への球形単分散微粒子の接着に成功した。これにより、粒子-表面間及び粒子-粒子間相互作用力の直接測定が可能となった。 3.相互作用力の測定 (1)電解質水溶液系 電解質溶液中で、本課題にて開発したカンチレバ-を用いて、雲母-粒子間相互作用力を測定した。結果は、よく知られたDLVO理論による界面間相互作用の理論値とよく一致した。さらに、約2nm以下の非常に短距離では表面吸着層によると思われる付加的な斥力が観察され、その大きさは、イオンの水和エンタルピーの順序と一致した。以上のように、本課題で開発したカンチレバ-により、よく知られたDLVO理論を実験的に確かめただけでなく、水和力など付加的な力も測定することが出来、またその存在を明らかにした。 (2)水-アルコール系、非水系においては、水系におけるDLVO理論のような統一的な理論がなく、その構築が望まれている。そこで、まず第一段階として、本課題で開発したカンチレバ-を用いて、アルコール水溶液中で、雲母-粒子間相互作用力を測定し、水系との違いを明らかにした。
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