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1995 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡を利用した物質表面間相互作用力の測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06555227
研究機関京都大学

研究代表者

東谷 公  京都大学, 工学研究科, 教授 (10039133)

研究分担者 神田 陽一  京都大学, 工学研究科, 助手 (60243044)
森 康維  同志社大学, 工学部, 助教授 (60127149)
キーワード原子間力顕微鏡 / 表面 / 電気二重層 / 吸着層 / 付着力 / 非水系
研究概要

昨年度は、本課題で開発したシリカ球形粒子付カンチレバ-を原子間力顕微鏡に用いることにより、シリカ粒子-雲母平板間の相互作用力を直接測定することに成功した。その結果、よく知られたDLVO理論を実験的に確かめただけでなく、水和力など付加的な力も測定することが出来、またその存在を明らかにした本年度は、このカンチレバ-を用いて、以下の結果が得られた。
<水溶液系>
電解質水溶液中において付着力の測定を行った結果、表面間の接触時間が短いとき付着力は添加したカチオンの水和エンタルピーの順に小さくなる傾向が見られた。これは近距離斥力に解析より求められた吸着層の厚さの逆の順と一致する。付着力の表面間の接触時間依存性が水和力の小さなイオン(Cs,K)では殆ど無く、水和力の大きなイオン(Na,Li)では接触時間が大きくなるほど付着力が増大した。この違いは吸着カチオンの界面における水和状態に起因する吸着層の構造破壊により説明された。
<非水系>
アルコール水溶液中においても水系と同じように電気二重層の重なりによるとみられる斥力が得られ、溶存イオンが1価の場合でアルコール濃度70%まではほぼDLVO理論が適用できることが明らかになった。また。探針により表面近傍の相互作用力および付着力を測定した結果、アルコール濃度が90%以上の場合に、アルコール分子による吸着層によると見られる付加的な斥力およびしきい値以上の圧力をかけた後の付着力の急激な増大が観察された。これはアルコール分子の吸着層の存在とその破壊により説明される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K. Higashitani: "Magnetic Effects on Zeta Potential and Diffusivity of Nonmagnetic Colloidal Particles" J. Colloid & Interface Sci.172. 383-388 (1995)

  • [文献書誌] K. Higashitani: "An Optical Method to Detect Amount of Particles Deposited on a Substrate" J. Chem. Eng. Japan. 28. 501-505 (1995)

  • [文献書誌] K. Higashitani: "Simulation of the Ordered Structure LS_5 of Binary Colloidal Particles L and S" Adv. Powder Tech.6. 1-9 (1995)

  • [文献書誌] K. Higashitani: "Effects of Magnetic Field on Water Investigated with Fluorescent Probes" To appear in J. Colloids Surfaces.

  • [文献書誌] 神田 陽一: "アルコール水溶液中のシリカ粒子-雲母板間相互作用力" 化学工学会第61年会講演要旨集. R209 (1996)

  • [文献書誌] 東谷 公: "AFMを用いた電解質水溶液中での雲母平板-シリカ粒子間の付着力の検討" 化学工学会第61年会講演要旨集. R210 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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