研究課題/領域番号 |
06555230
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新井 邦夫 東北大学, 工学部, 教授 (10005457)
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研究分担者 |
城石 昭弘 日産化学工業(株), 富山工場技術部, 部長
阿尻 雅文 東北大学, 工学部, 助教授 (60182995)
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キーワード | 超臨界水 / 反応晶折 / 微粒子 / 複合酸化物微粒子 / バリウムフェライト / 脱水反応 |
研究概要 |
本研究では、超臨界水中での反応晶析を利用して、高密度記録の可能な垂直磁気記録材料として期待されているバリウムフェライト微粒子(BaO・6Fe_2O_3、以下Baフェライト)を連続的に、かつ従来の合成法と比べ、極めて高速な合成法の開発を行なっている。これまでの研究結果から、流通式反応装置を用いることで連続かつ高速に微粒子の合成が可能であることを明らかにしてきた。本年度は、亜臨界状態である水熱合成法と超臨界状態である手本法を比較することにより、本手法の特徴を明らかにし、微粒子からの脱水の影響についても検討した。また、本手法の経済性評価を行い、プロセス化の可能性を検討した。 反応晶折を超臨界状態で行なうと、亜臨界水中と比較して生成したBaフェライトは高い結晶性を示した。一般に水熱法で飽和磁化が小さいのは結晶中に残存する多数のOH基によって結晶格子に歪みが生じていることが一因として考えられている。そこで得られたBaフェライト微粒子に対し、TGAを用いて脱水による重量減少を測定したところ、本手法で得られたBaフェレイトのほうが、水熱法の重量減少と比較して小さいことがわかった。これは高温・低密度下の超臨界条件における結晶化過程において、脱水がより進行することを示唆するものである。次に本手法のプロセス化のため、経済性評価を行った。その結果、Fe(NO_3)_3の濃度をおよそ0.1mol/以上とする必要があることがわかった。そこで高濃度下での実験を行ったところ、得られた微粒子の飽和磁化は高Fe(NO_3)_3濃度下では若干減少するものの高い値を示すことがわかった。今後、昇温過程等の反応条件をより詳細に検討することにより、粒子形の制御が可能と考えられる。
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