研究課題/領域番号 |
06555235
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 健治 京都大学, 工学部, 教授 (20025919)
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研究分担者 |
桑原 浩 三和化工(株), 開発本部, 研究員
向井 紳 京都大学, 工学部, 助手 (70243045)
河瀬 元明 京都大学, 工学部, 助手 (60231271)
増田 隆夫 京都大学, 工学部, 助教授 (20165715)
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キーワード | 廃プラスチック / ケミカルリサイクリング / ガソリン / ポリエチレン / PET / 熱分解 / 接触分解 / 固体触媒 |
研究概要 |
廃プラスチックは主にポリエチレン(PE)、ポリプロピレンを主体としたポリオレフィン系プラスチック、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)そしてポリ塩化ビニル(PVC)で構成されている。既にポリオレフィンからは、オクタン価100以上のガソリンをプラスチック質量基準で50%以上の収率で得ることに成功している。そこで、平成6年度は重点的にPETのケミカルリサイクリングについて研究を進めた。ケミカルリサイクリングではまず、プラスチックを熱分解し、ついで生成した重質油やワックスをガソリンに転換する。PETは窒素中で熱分解すると400℃から急激に分解し、20%程度の残差が残り、これがPETの処理を困難にしている。本研究では残差低減のため、水蒸気雰囲気で熱分解したところ加水分解反応を併発することにより分解温度を350℃に低温化するとともに、残差を数%まで低減することに成功した。さらに、鉄系触媒を用いて300℃まで低温化することにも成功した。また、PEとの混合系についても水蒸気雰囲気で処理することで残差をほぼ無くすることを確認した。PET単独からの生成油は炭素数が7以下のアルデヒド、ケトン、エーテル等の有用物質が主成分で200℃の蒸留で全てが留出した。またPEとの混合物については、PEから生成した重質油が含まれていた。そこで、既に我々が開発しているNi担持REY触媒を用いて接触分解を水蒸気雰囲気で行った結果、生成油はほとんどがガソリン成分であることが分かった。平成7年度は連続処理装置を試作して、本プロセスの有効性を実証するとともに、PVCについて研究を行う計画である。
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