研究課題/領域番号 |
06555241
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 工学部, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
久保 百司 東北大学, 工学部, 助手 (90241538)
RAJAPPAN Vet 東北大学, 工学部, 助教授 (20250706)
寺崎 治 東北大学, 理学部, 助教授 (30004401)
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キーワード | ゼオライト / 触媒劣化 / 分子動力学法 / 密度汎関数法 / コンピュータグラフィックス / 耐熱性 / X線回折 / 高分解能電子顕微鏡 |
研究概要 |
ゼオライト触媒はその特異的な形状選択性と固体酸性により、新たな環境調和型触媒といて注目されている。しかし活性、選択性に優れたゼオライト触媒も、耐熱性、耐水蒸気性の欠如のために、必ずしも実用につながらないことが多い。本研究では、、高分解能電子顕微鏡、X線回折などの実験的な手法と、分子動力学)MD)法、量子化学、コンピュータグラフィックス(CG)などの分子設計手法を活用することにより、熱による触媒劣化の機構を解明した。 高分解能電子顕微鏡などの実験的手法を用いて、FAU型ゼオライトとEMT型ゼオライトの脱Al機構について検討を行った。その結果、脱Alは結晶表面からアモアルファス相を形成しながら、(III)面内で異方的に進行することがわかった。 原子レベルでの劣化機構を検討するためにMD法とCGを活用して、熱によるゼオライトの破壊過程のシミュレーションを行った。その結果、ZSM-5、FAU型ゼオライト、A型ゼオライトの順に耐熱性が落ちていくことがわかった。この結果は実験結果と定性的に一致する。また、Alの含有量の増加、格子欠陥の増加によって、ゼオライトの耐熱性が落ちることも明らかにした。さらに、ゼオライトと類似した細孔構造を持つAlPO系ミクロ多孔体についても、熱による破壊過程を明らかにした。 ゼオライトの格子内に金属を含有したメタロシリケートの格子膨張についても検討を行った。その結果、金属の含有位置により、異方性を持った格子膨張が起こることが明らかになった。また、密度汎関数法と呼ばれる新しい量子化学計算手法に活用することにより、金属の種類を交換することによるゼオライトの安定性の変化についても検討した。
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