研究課題/領域番号 |
06555255
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 教授 (30127980)
|
研究分担者 |
川崎 秀一 日本結晶光学(株), 商品開発部, 研究員
野田 廣 島津製作所, 計測事業本部, 係長
|
キーワード | 二色誘導ラマン効果 / ラマン混合現象 / 四液混合 / 多色レーザー / 超短パルスレーザー / 水素 / X線発光分析 / 分光分析化学 |
研究概要 |
光源にフェムト秒チタンサファイヤレーザーを用いる方法について継続して研究を行ったところ、150fsのパルス幅では自己集束、自己位相変調などの非線形光沢効果が優先的に起こり、回転ラマン光はほとんど発生しないことがわかった。レーザーの軸調整が不良で1ps程度にパルス幅が広くなると、回転ラマン光のアンチストークス線が数10次まで観測された。そこでレーザー波長の影響を調べるために、チタンサファイヤレーザーの第二高調波(400nm)を用いて同様の実験を行った。この場合にはパルス幅150fsのフェムト秒エキシマーレーザーを利用したときと同様に、多数の振動・回転ラマン線が発生した。したがって振動ラマン光より回転ラマン光を優先的に発生させるには近赤外に励起波長をシフトさせるのが望ましいが、このような場合には他の非線形光学効果が顕著になることがわかった。これを克服するには、今後低温パラ水素、シ-ド光の導入、ビーム質の改善、フーリエ変換パルスの利用などが考えられる。今回は、とくにビーム質の改善について検討した。その結果、基本波のビーム質が悪い場合には、二色誘導ラマン光の発生効率が低下するだけでなく、そのビーム質が悪い部分が残され、広い周波数領域で強度分布が揃った発振線が得られないことがわかった。また、このような不都合は空間フィルターを用いて除去できることもわかった。 本研究では、フェムト秒エキシマーレーザーを光源とするX線発光分析装置を試作した。今回X線スペクトルの測定を行いたいと考えている。
|