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1996 年度 実績報告書

二色誘導ラマン現象による多色・超短パルス光発生とその分析化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06555255
研究機関九州大学

研究代表者

今坂 藤太郎  九州大学, 工学部, 教授 (30127980)

研究分担者 川崎 秀一  日本結晶光学(株), 商品開発部, 研究員
野田 廣  島津製作所, 計測事業本部, 係長
キーワード二色誘導ラマン効果 / ラマン混合現象 / 四波混合 / 多色レーザー / 超短パルスレーザー / 水素 / X線発光分析 / 分光分析化学
研究概要

光源にフェムト秒チタンサファイヤレーザーを用いる方法について検討を行い、以下の諸現象の発生の閾値は(1)振動ラマン光(2)回転ラマン光(3)自己位相変調(4)自己集束(5)高次高調波発生の順になると結論した。超短パルス光を発生するには多数の回転ラマン線を同時に発生する必要があるが、これには四波ラマン混合過程が関与していることが知られている。この現象においては、まず自己位相変調(自己集束の寄与を含む)により基本波付近に白色光が発生し、これがシ-ド光となって四波混合により高次回転ラマン線が発生すると推論した。したがって条件を選択することにより、上記の(1)-(5)に優先して、多数の回転ラマン線を発生できることが分かった。なお、上記の現象において支配する因子を理論的に検討し、フェムト秒領域における非線形光学効果を系統的に理解することにも努めた。
従来のラマンセルを用いる方法では、窓材の群速度分散のため、極限の超短パルス光を発生することができない。これを克服するには、真空中でノズルジェットの実験を行う必要がある。このような方式についても予備的検討を行い、誘導ラマン光が発生することを確認した。現在のところ、その強度はまだ十分とは言い難いが、今後分子密度の増大により所定の成果が得られるものと期待している。一方、極限レーザーのパルス幅の測定においては、従来の非線形光学効果を利用するオートコリレータは、もはや利用できない。そこで気体の自己位相変調現象を利用する方法について検討した。パルス幅の減少すなわちピーク強度の増大に伴ってスペクトル幅が増大することを確認し、この方法が原理的にパルス幅測定に利用できることを明らかにした。
本研究では、さらに照明用レーザーとして利用するため、簡便で高出力の多色レーザーを発生する方法についても基礎研究を行い、その成果を取り纏めた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hiroyuki Kawano: "Generation of High-Order Rotational Line by Four-Wave Raman Mixing Using a High-Power Picosecond Ti:Sapphire Laser" Applied Physics B. 63. 121-124 (1996)

  • [文献書誌] Takuya Tomooka: "Generation of High-Power Multifrequency Laser by Using Nd:YAG Laser as a Main Pump Source" Proceeding of 40th Anniversary of Kyushu Branch of The Japan Society for Analytical Chemistry. 19-20 (1996)

  • [文献書誌] Hiroyuki Kawano: "Generation of an Ultimately-Short Optical Pulse by Four-Wave Raman Mixing Using Femtosecond Ti:Sapphire Laser" Proceeding of 40th Anniversary of Kyushu Branch of The Japan Society for Analytical Chemistry. 5-6 (1996)

  • [文献書誌] Nobuyuki Takeyasu: "Multiplication of Spectral Lines Generated by Two-Color Stimulated Raman Effect" Optical Review. 3(6). 549-551 (1996)

  • [文献書誌] Hiroyuki Kawano: "Generation of More Than 40 Rotational Raman Lines by Picosecond and Femtosecond Ti:Sapphire Laser for Fourier Synthesis" Applied Physics B. (in press).

  • [文献書誌] 今坂藤太郎: "新しいレーザー分析-極限の超短パルス光発生とその応用" レーザー研究(レーザー学会), 9 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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