研究課題/領域番号 |
06555261
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城田 靖彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90029091)
|
研究分担者 |
脇本 健夫 パイオニア株式会社, 総合研究所, 研究員
中野 英之 大阪大学, 工学部, 助手 (00222167)
野間 直樹 大阪大学, 工学部, 助手 (70208388)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | 有機エレクトロルミネッセンス素子 / アモルファス分子材料 / starburst分子 / ガラス転移温度 / 熱安定性 / 耐久性 / 駆動電圧 / 発光効率 |
研究概要 |
有機物質を用いるエレクトロルミネッセンス(EL)素子は、大面積化、薄膜化が可能な新しい表示素子として、大型フルカラーフラットパネルディスプレイへの応用の観点から注目を集めている。有機EL素子の実用化への最大の課題は、発光効率の向上ならびに耐久性・熱安定性の向上である。申請者らが開発した光・電子機能性アルモファス分子材料は、安定な有機EL素子の優れた材料として機能することが期待される。 本研究では、有機EL素子の発光効率の改善と耐久性の向上を図り、有機EL素子の実用化を目指して、以下の検討を行った。 (1)新規アモルファス分子材料の合成とモルフォロジー変化の検討 新規starburst分子群を設計・合成し、それらのモルフォロジー変化を検討して、分子構造とガラス形成能、ガラス転移温度、ガラス状態の熱安定性との相関について知見を得た。 (2)ガラス状態における電荷輸送過程の解明 分子性ガラスの電荷輸送を検討し、分子構造とホール輸送特性との相関について知見を得た。 (3)有機EL素子の作製とその特性評価 開発した新規starburst分子のアモルファス膜をホール輸送層に用いた有機EL素子を作製し、従来の有機EL素子に比べて耐久性が飛躍的に向上することを見いだした。また、ホール輸送層を二層関層した新規多層型有機EL素子を作製し、この素子の駆動電圧が従来の素子に比べて低くなり、発光効率が向上することを明らかにした。 このように、(i)ガラス転移温度の高いstarburst分子のアモルファス膜の利用、(ii)ホール輸送層を積層した新規多層関層型有機EL素子の開発、が有機EL素子の耐久性・熱安定性の向上、駆動電圧の低減、発光効率の向上のための戦略になることを示した。
|