研究課題/領域番号 |
06555267
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鈴木 喬 山梨大学, 工学部, 教授 (60020385)
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研究分担者 |
阪根 英人 山梨大学, 工学部, 助手 (50252010)
初鹿 敏明 山梨大学, 工学部, 講師 (50020417)
若泉 章 日本酸素(株), 技術本部, 専門部長
木野村 暢一 山梨大学, 工学部, 教授 (50029732)
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キーワード | 層状化合物 / 多孔体 / ガス吸着 / ガス分離 / イオン交換 / ピラ- / マグネタイト / 有機誘導体 |
研究概要 |
従来の深冷法、およびPSA法に代わる操作が簡単で経費のかからない新しい吸着・分離剤を用いたPSA法による酸素・窒素分離が求められている。本研究の目的は、粘土鉱物を中心とする層状無機化合物の層間にかさ高いイオンを導入することにより得られる層間架橋型化合物を利用した新しい酸素・窒素分離剤の開発である。 モンモリロナイト層が磁性を持った酸化物により架橋された多孔体を合成し、酸素、窒素の磁気的作用による分離を検討した。多孔体の合成は、かさ高い三核酢酸鉄イオンを導入し、これを加熱処理することにより行った。なお、加熱雰囲気を制御して層間にマグネタイトを生成させ磁性の効果を検討し、テンプレート剤としてポリビニルアルコール(PVA)を使用し細孔形成に対する効果を検討した。この結果、PVAのテンプレート剤としての効果が確認され、層間距離、比表面積共に増加した。酸化雰囲気で合成したものは酸素窒素同程度に吸着したが、還元雰囲気で合成したものは窒素をほとんど吸着せず、酸素を吸着することが認められ、磁性の効果が顕著に現れた。 また、三リン酸二水素アルミニウム(ADHP)の層間に各種の有機塩基を導入した有機誘導体を用い、酸素が親油性であることを利用した選択的な酸素の吸着を試みた。有機塩基としては、n-アルキルアミンおよびアニリン等を用い、それぞれ単独あるいは混合してAPHPと反応させ有機誘導体を合成した。生成物の層間距離は、単独で用いた場合は有機物の大きさに対応して増加したが、混合した場合は長い分子に支配されると考えられた。比表面積は、単独の場合よりも混合したほうが大きくなり、特にn-デシルアミンとアニリンの混合系で最も大きくなり、その時吸着される酸素と窒素の比は6.32にもおよんだ。
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