研究課題/領域番号 |
06555282
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 徳治 東北大学, 工学部, 教授 (40124630)
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研究分担者 |
岩柳 隆夫 (株)日立製作所日立研究所材料第一部, 部長
青木 純 東北大学, 工学部, 助手 (50250709)
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キーワード | ラングミュアーブロジェット膜 / ポリドデシルアクリルアミド / 潤滑特性 / 動摩擦係数 / フッ化アルキルアクリルアミド |
研究概要 |
前年度に得られた高秩序分子組織体の分光学的結果や、N-ドデシルアクリルアミドポリマー(DDA)LB膜の動摩擦試験結果に基づいて、本年度は種々のN-フッ化アルキルアクリルアミドを分子設計し、それらの単分子膜特性の評価を行った。調製したN-フッ化アルキルアクリルアミドは前年度の結果からアクリルアミド基が単分子膜形成に重要であることからN-アルキルアクリルアミド基を基本骨格として用いた。また、現在ハードディスクなどの磁気記録装置の潤滑膜としてフッ素系化合物が実際に使用されており、N-アルキルアクリルアミドポリマーの炭化水素鎖をフッ化炭素鎖に置き換え、鎖長の異なるN-フッ化アルキルアクリルアミドを調製した。 N-フッ化アルキルアクリルアミドポリマーの水面上単分子膜挙動はN-アルキルアクリルアミドと同様に良好な単分子膜挙動を示し、炭化水素鎖だけでなくフッ化炭素鎖でも優れた単分子膜を形成することを明らかにした。さらにフッ化炭素鎖ではフッ素のより強い疎水性相互作用のため炭化水素鎖に比べ短い鎖長で同様な単分子膜挙動が得られることがわかった。また、一般に低分子量のフッ素系両親媒性化合物ではフッ素の低表面エネルギーにより基板への累積が困難とされているが、本試験研究を通して開発されたN-フッ化アルキルアクリルアミドポリマーは良好に累積でき、高秩序性超薄膜有機材料として期待できることが明らかとなった。
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