研究課題/領域番号 |
06555283
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瓜生 敏之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80011005)
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研究分担者 |
髪谷 要 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20251465)
加藤 隆史 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70214377)
東海林 忠生 大日本インキ化学工業(株), 総合研究所, グループリーダー
葛原 弘美 埼玉大学, 工学部, 教授 (50100053)
中島 秀喜 山梨医学大学, 医学部, 助教授 (20192669)
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キーワード | 硫酸化アルキルオリゴ糖 / 抗エイズウイルス活性 / オリゴ糖 / ラミナリオリゴ糖 / カードランの酸加水分解 / ラミナリペンタオース / ラミナリデカオース / 硫酸化フッ化アルキルオリゴ糖 |
研究概要 |
硫酸化アルキルオリゴ糖は非常に高い抗エイズウイルス活性を持っていることを、この化合物を新規に合成することによって見出した。そして、活性はアルキル基の長さとオリゴ糖の糖残基数に依存することが分かった。5-10等残基数のオリゴ糖は天然に存在しないので、合成しなければならない。本研究では、まず1、3-β-グルカンであるカードランを分解してラミナリオリゴ糖を合成した。カードランの酸加水分解法とアセトリシス法の二法を小規模で試み、数100mg毎のラミナリペンタオース(5糖)-ラミナリデカオース(10糖)を得た。それらの比旋光度は水中で-6.9ないし-13.6℃であった。ノナオース(9糖)とデカオース(10糖)は水に不溶であった。従って、反応物の分離精製のプロセスを考えると、8糖以下のラミナリオリゴ糖をオリゴ糖に選ぶ必要があることが分かった。ラミナリペンタオース(5糖)が酵素合成できないかを調べている。カードランの塩酸加水分解でラミナリテトラオース(4糖)を比較的高収率(6.5%)で合成する方法を見出した。次に、オリゴ糖をラミナリペンタオース(5糖)に固定してアルキル基を変えて得られる硫酸化アルキルオリゴ糖の抗エイズウイルス活性を調べた。アルキル基としてブチル(C4)、ヘキシル(C6)、オクチル(C8)、デシル(C10)およびドデシル(C12)を結合させて作った硫酸化アルキルオリゴ糖は、ヘキシル以上のアルキル基はEC_<50>=0.61-0.63μg/mlという高い抗エイズウイルス活性を示した。ブチル基結合物はEC_<50>=1.9μg/mlとやや低い活性であった。C_2H_4C_<10>F_<21>などのフッ化アルキル基をアルキル基の替わりに結合させた硫酸化フッ化アルキルオリゴ糖も、高い活性を持っていることが見出された。
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