研究課題/領域番号 |
06555285
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石津 浩二 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016650)
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研究分担者 |
渡辺 純哉 三菱化学, 横浜研究所, 研究員
木庭 秀明 三菱化学, 横浜研究所, 主任研究員
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キーワード | モザイク荷電複合膜 / 液相エピタキシャル膜 / 電解質透過 / アミノ酸選択分離 |
研究概要 |
強酸-強塩基型のモザイク荷電複合膜を構築するため、ポリマーブレンドに正荷電部としてポリ(4-ビニルピリジン)(P4VP)、負荷電部としてポリスチレンスルホン酸Na(PSSS)を用いた。ここでPSSSには少量の感光性ジチオカルバメート基が導入してある。モザイク荷電複合膜の調製は既に去年報告した方法を用い、多孔性膜上に液相エピタキシャル成長により正・負荷電部が垂直配向した高次構造をもつものである。 強酸-強塩基型モザイク荷電膜の電解質透過挙動を評価した。L-フェニルアラニンの流宋(Js)は等電点付近で谷となる挙動を示し、これ以外のpH領域では透過が促進された。L-フェニルアラニンの分子量(Fw:165)とほぼ同じ分子量をもつ糖グルコース(Fw:180)の透過では、L-フェニルアラニンの等電点でのJs値に近いものとなった。これはL-フェニルアラニンが等電点では非電解質として振る舞うことを示している。 一方、塩電解質であるKClはpHにほとんど依存せず高い透過性を示した。この透過速度はイオン交換膜と比べても2桁大きい値である。これからもモザイク荷電領域の循環電流の効果による透過促進作用が仂いていることがわかった。当初目的とした研究の成果はほぼ達成されており、今後は実用化へ発展させる必要がある。
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