研究課題/領域番号 |
06555285
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石津 浩二 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016650)
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研究分担者 |
渡辺 純哉 三菱化学, 横浜研究所, 研究員
木庭 秀明 三菱化学, 横浜研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | モザイク荷電複合膜 / 液相エピタキシャル膜 / アミノ酸選択分離 / 電解質透過 / Electrolyte |
研究概要 |
垂直ドメインの配向構造を本質的に必要とするモザイク荷電分離膜を液相エピタシャル膜法より構築し、膜の実用化開発を目的とした。多孔性膜上にポリアクリル酸(PAA)(またはポリスチレンスルホン酸Na : PSSS/ポリ4級化ビニルピリジン(P4VP)の二成分分離機能部の液相エピタキシャル膜を構築させ、橋かけ反応を加えてドメイン固定を行い弱酸1強塩基、強酸-強塩基型の二種モザイク荷電複合膜を創製した。膜の電子顕微鏡観察やXPSによる構造解析より正・負荷電部のドメイン空力数100nmに交互に垂直配向した高次構造であることを確認した。弱酸-強塩基型のモザイク荷電膜でアミノ酸の一つである1-フェニルアラニン(PAL)の透過測定を行った。pHによる透過挙動は導電点付近で非電解質として振る舞い透過が抑制された。またpH10付近では負荷電部のカルボキシル基の解離のため透過が促進されるというアミノ酸選択分離膜の機能を見い出した。 次いで強酸-強塩基型モザイク荷電膜の電解質透過を評価した。PALの流宋(Jis)は等電点付近で谷となる挙動を示し、これ以外のpH領域では透過が促進された。PALとほぼ同一分子量の糖グルコースの透過挙動を測定したところ、PALの等電点でのJis値に近いものとなった。これはPALが等電点では非電解質として振る舞うことを示している。一方、塩電解質であるKClはpHにほとんど依存せず高い透過型を示した。この透過適度はイオン交換質と比べても2桁大きい質である。これからもモザイク荷電領域の循環電流の効果による透過促進作用が働いていることがわかる。またモザイク荷電質の特徴である質の浸透も確認した。本研究で作製したモザイク荷電複合膜は機械的強度も大きく、ポリマーブレンド系で作製コストも低い。またブレンドするポリマーを変えることで強酸-強塩基、弱酸-強塩基型と二つの荷電膜が同一原理で簡便に調製できるという大きな長所をもつものである。
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