研究概要 |
1.ジアンヒドロヘキシトールからのポリエステルの合成と生分解性の評価 1,4:3,6-ジアンヒドログルシトール(1)および1,4:3,6-ジアンヒドロマンニトール(2)と塩化スクシニル(3),塩化グルタリル(4)および塩化アジポイル(5)とを重縮合させて6種類の対応するポリエステルを合成した。これらについて中性リン酸緩衝溶液中での加水分解,活性汚泥中での分解および土壌中での分解を調べた。その結果2と3から調製したポリエステルは結晶性であり、他の5種のポリエステルに比べて分解性が著しく低かった。ジオール成分に1を用いたポリエステル、および2と4あるいは2と5から調製したポリエステルは27℃では殆ど加水分解しないが、50℃では中性条件でも加水分解した。また活性汚泥中では27℃でも分解が進行した。10年間堆肥を施した土中に埋没した場合には、ジカルボン酸成分として4や5を用いて得たポリエステルは分解を受けやすく、特に1と5から調整したポリエステルの分解が顕著であった。 糖酸ラクトンからのポリウレタンの合成と生分解性の評価 メチルD-グルコフラノシドウロノ-6,3-ラクトン(6)および1をヘキサメチレンジイソシアナ-ト(7)およびメチル(S)-2,6-ジイソシアナ-トカプロアート(8)と重付加させて4種類の対応するポリウレタンを合成した。これらのポリウレタンの熱的性質、力学的性質、溶解性、加水分解性を調べ、D-グルカロ-1,4:6,3-ジラクトン(9)やD-マンナロ-1,4:6,3-ジラクトン(10)から調製したポリウレタンの諸性質と比較した。6のα体または9,10を含むポリウレタンは6のβ体や1を含むポリウレタンよりも緩衝溶液中で高い加水分解性を示した。
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