研究概要 |
本研究の目的は,超流動ヘリウム中の衝撃波あるいは高度に非定常な熱流動現象を対象として,総合的かつ集中的実験を可能とする様な実験装置としての超流動衝撃波管装置の試作である.併せて,関連する基礎現象に関するまた本装置を用いた研究も行った. 1.超流動衝撃波管装置の設計製作から衝撃波特性試験までを成功裡に完了した.:超流動ヘリウムを低圧部に充填した試験では,本装置が所定の性能を有することが確認された. 2.第2音波熱衝撃波のレーザーホログラフィー干渉計および超伝導温度センサによる計測が行われ,熱衝撃波の伝播特性・崩壊特性,超流動ヘリウム中の高度に非定常な熱伝達現象と量子化渦発展,等に関する系統的知見が得られた. 3.第2音波熱衝撃波の自由表面上への入射による超流動ヘリウム蒸発現象が,成功裡に実験および数値計算により研究され,純物質中の蒸発波がレーザーホログラフィー干渉計により捉えられたほか,熱衝撃波の自由表面上での反射則が得られた.さらにレーザーホログラフィー干渉計装置による計測の分解能向上を目指す,2ビームレーザーホログラフィー干渉計装置への改良が行われた. 4.2流体方程式+渦密度発展方程式に対する直接数値解析:熱衝撃波に対する実験値と計算結果の比較から,渦密度発展に関する貴重な知見が得られたほか,2次元問題に対する数値解析コードが完成した. 5.本装置の実験ツールとしての評価がなされ,十分所期の目的に使用され得ることが結論された.引き続き,更なる改良の方向性が考察され,それに沿った改良を行う為の設計が行われた.
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