研究課題
基盤研究(A)
平成6年〜8年度の研究成果は次の通りである。1.厚翼理論の新しい方法として、SQCM(Source+QCM)という方法を開発した。この特徴は、一般の3次元翼に対しても、一度だけ連立一次方程式を解けば、定常流れが求められることである。このSQCMを翼厚コード比0.001という非常に薄い翼に対しても、解析解と一致する圧力分布が求められるように改良した。2.SQCMを定常プロペラ性能の計算に適用し、他の方法による結果とほとんど一致する結果を得た。この場合でもKuttaの条件は、1回の計算で満足される。3.キャビテーションを起しているプロペラ性能を計算で求める方法として、QCM(準連続渦分布法)によって、翼上の渦分布を求め、それから等価2次元翼を求め、この2次元翼に線形キャビション理論を適用する方法を開発した。4.上記の方法を、スーパー・キャビテーション・プロペラに適用して、実験結果と良く一致する結果を得た。しかし、通常の翼断面(キャビテーションを出来るだけ起さないように設計されている)を持つプロペラに対しては、キャビテーションが過大に生じて、実験値の傾向とは、あまり一致しなかった。また線形理論では、計算不能のキャビテーション数があることが分った。5.そのため、非線形部分キャビテーションの計算法として、SQCMをベースにして、翼断面を変形してゆく計算法を開発した。さらにスーパー・キャビテーション状態を計算できるように開発中である。6.不均一流中のプロペラ性能を求めることを目標に、まず非定常2次元翼問題に取り組み、SQCMを用いて、比較的簡単に翼性能を求める計算法を開発した。7.BEMの一つであるランキン・ソース法を用いて、幅広船まわりの波流れを求める計算法を開発した。8.水中翼付き高速船まわりの波流れを姿勢変化まで考慮して、計算する方法を開発した。9.キャビテーションを発生しているプロペラの設計法について、一つの方法を提案した。
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