研究課題/領域番号 |
06555308
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中塚 勝人 東北大学, 工学部, 教授 (60005345)
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研究分担者 |
吉沢 秀二 同和鉱業(株), 中央研究所, 研究室長
土屋 範芳 東北大学, 工学部, 助手 (40207410)
小田 幸人 東北大学, 工学部, 助手 (40005369)
鹿野 新平 東北大学, 工学部, 助教授 (20006034)
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キーワード | 残留磁気 / 高温超伝導磁気遮蔽装置 / 熱消磁 / 地熱 / コアの方位測定 / フラックスゲート磁力計 / 赤外線イメージ炉 / パルス超音波モーター |
研究概要 |
1.平成6年度で試作した装置では液体窒素によりクライオスタットを冷却し、超伝導状態によるマイスナー効果で外部磁場の騒乱を排除したが、超伝導状態になるときの地球磁場による磁化を装置内に閉じこめる結果により、2個のフラックスゲート磁力計を用い、1軸のみの回転で残留磁化の方位を簡単に決定することには困難であった。この改良に、液体窒素冷却時に装置全体をパ-マロイによって覆うことにより閉じこめる地球磁場の影響をかなり軽減する事が可能になり、実際の測定では装置の方向をわずかに調整することにより測定には支障がないレベルまで改善することが出来た。 2.本装置は熱消磁と残留磁化の測定を一体化しているのが特徴であるが、このために熱源として装置内に磁場を発生しない赤外線イメージ炉から発生する赤外線を用いている。しかし、試料は不均一に加熱され、赤外線の照射部とその反対側では数百度の温度差が生じた。これを改善するため、試料を厚さ2mmの銅製のセルとグラスウ-ルで覆ったことにより400℃では20分で5℃以内、600℃の場合でも加熱開始から20〜25分後には最大20℃以内の温度均一性を得ることが出来、熱消磁を理想的に行うことが出来るようになった。また,銅セルによる残留磁化測定への影響(強度の減少)はわずかであった。 3.本装置を用い岩手県栗駒山火山の安山岩試料について、残留磁化の測定と熱消磁をおこなった結果、本試料では磁化の大部分が火山岩冷却時に獲得された熱残留磁化によるものであり、各温度での部分残留磁化の傾向を明らかにすることが出来た。また、非常に微弱ではあるが、二次残留磁化の存在と方向も明らかに出来た。 以上の改良により当初目的とした、コアの方位を決定するための残留磁気測定装置はほぼ今年度で完成出来た。
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