研究課題/領域番号 |
06555308
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中塚 勝人 東北大学, 工学部, 教授 (60005345)
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研究分担者 |
吉沢 秀二 同和鉱業(株), 中央研究所, 研究室長
土屋 範芳 東北大学, 工学部, 助手 (40207410)
小田 幸人 東北大学, 工学部, 助手 (40005369)
鹿野 新平 東北大学, 工学部, 助教授 (20006034)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 残留磁気 / 高温超伝導磁気遮蔽装置 / 熱消磁 / 地熱 / コアの方位測定 / フラックスゲート磁力計 / 赤外線イメージ炉 / 超音波モーター |
研究概要 |
地熱資源開発や深部地下空間の利用には地殻内のき裂分布や地殻応力に関するデータの取得・解析が重要となる。ボーリングはこれらの解析には重要であり、定方位コアの採取が必要とされるが、従来の方法では掘削工程の中断や多額の費用を要する等の障害があり、とくに近年開発が進められている深部ボーリングにおいてはその採取成功率が極めて低いために充分なコアの方位の把握が出来ず、地殻応力解析に大きな障害を残している。そこで、一般の実験室あるいはボーリング現場で即時にコアの方位を決定出来る、磁気測定の-熱消磁一体型の残留磁気装置を開発した。平成6年度は主に装置の設計製作と性能評価を行い、平成7年度は6年度に明かとなった装置の問題点の改良と実際の岩石の残留磁気を測定し、方位測定装置としての有効性を検討した。 この装置の特徴は本来岩石に残されている残留磁気を熱消磁法によって一次磁化と二次磁化に分離測定し、その部分残留磁化のベクトルの方向からコアの方位を決定しようとするものである。そのためには、試料まわりで0.1nTの磁界測定精度と10nTに達すると言われる自然磁界の変を遮蔽する必要がある。このために酸化物高温超伝導厚膜を内蔵したクライオスタットを設計製作し、マイスナー効果で外部磁場による騒乱を排除した。さらに冷却時にパ-マロイで装置を覆うことにより冷却時の外部地場の取り込みを軽減し、磁界変動を千分の一以下にすることが出来た。加熱には赤外線イメージ炉から石英ロッドで導入した赤外線を用い、急速加熱を可能にし、銅製セルと保温剤を組み合わせた試料部の開発により試料内の温度均一性を保つことに成功した。試料の回転には超音波モーターを使用し、装置内の磁界の発生を防いだ。この装置により栗駒山安山岩の残留磁気を熱消磁した結果、部分残留磁化は現在と同方向で逆向きの逆帯磁の結果が得られ、装置の有効性が確認出来た。
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