研究課題/領域番号 |
06555314
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井沢 英二 九州大学, 工学部, 教授 (50037751)
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研究分担者 |
広渡 和緒 九州電力(株), 総合研究所, 研究主査
土居 克実 九州大学, 農学部, 教務員 (40253520)
本村 慶信 九州大学, 理学部, 助手 (20037237)
渡辺 公一郎 九州大学, 工学部, 助教授 (10182916)
緒方 靖哉 九州大学, 農学部, 教授 (20038277)
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キーワード | 地熱発電所 / 熱水 / シリカスケール / 微生物 / DNA / 鉱物 / シンター |
研究概要 |
1.平成6年6月から12月までの6カ月間、大岳地熱発電所の熱水滞留槽において、シリカスケールの生成実験を行った。併せて熱水の化学分析、温度、pH測定を定期的に行い、懸濁物質を採取した。熱水に浸した金属(銅)板へのスケールの付着速度は、滞留槽内の位置により異なり、以前に八丁原発電所の滞留槽でで得られたものより小さかった。付着速度は、熱水のシリカ濃度と重合度に関係していると推定された。 2.熱水中の微生物の探索につては、熱水に浸した金属板表面の光学顕微鏡による観察では、特別な発見はなかった。銅板に付着したシリカスケールを削り取って核酸および蛋白質の分離を試みたところ、滞留槽入口の試料からDNAとRNAの存在が認められた。数種の既知菌種から抽出した染色体DNAを対照としたが、それらとは異なるものであった。蛋白質については微量であり疑問が残った。 3.スケールの鉱物学的性格については、偏光顕微鏡、X線回折装置、ICP質量分析装置、原子吸光分析装置、EPMAによって研究を行った。その結果、スケールの構成鉱物は多種であり、自生・外来の両者があることが明らかになった。 4.滞留槽での付着実験で得られたスケールのほか、蒸気井バルブ付近の沈積物、2相流体輸送管に付着したスケールを採取研究した。いづれの試料にも外来鉱物が含まれていたが、これらは熱水の懸濁物質として検出された鉱物と共通するものであった。 5.スケールと比較するため、熱水から沈殿したシンターについて産状・形態・組織についても研究を行った。
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