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1996 年度 実績報告書

植物ミトコンドリアの形質転換システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 06556002
研究機関東京大学

研究代表者

平井 篤志  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60023470)

研究分担者 吉羽 洋周  日立製作所, 基礎研究所, 主任研究員
堤 伸浩  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00202185)
長戸 康郎  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
キーワードイネ / ミトコンドリアゲノム / 形質転換 / プラスミド様DNA
研究概要

ミトコンドリアは生物エネルギーの変換を行う重要な器官である。これの効率を増加させるためミトコンドリアゲノムの遺伝子を改変できる形質転換システムの確立を目指し研究を続けている。ミトコンドリア形質転換用プラスミドを構築し、イネの培養細胞にParticle gunを用いて導入することを試みているが、いままで成功していない。このためミトコンドリア内で安定的に増殖することが知られている、プラスミド様DNAの複製を調べた。小環状DNAの複製にはRNAが関係していることが知られているが、転写を調べたところ、B1〜B4まですべて一方向にのみ転写していることが明らかになった。特にB4プラスミドでは転写後切断されて残る部分にORFはなく、したがってmRNAとして使われるのではないため、ここがDNAの複製開始点であることが示唆された。しかしその場所に形質転換用プラスミドに挿入するのに使用したXhoI部位があり、そこで切断したため機能せず、これが形質転換が成功しない一因かもしれない。
ミトコンドリアにおける遺伝子の転写についても研究を進めた。その結果atp1遺伝子は転写活性は強いが、例外的に複数の転写開始点を持っている。この原因としてはDNAのプロモーター活性中心であるCRTAモチーフに湾曲部位を持つことが考えられた。そこで他の遺伝子のプロモーター領域を用いることが望ましいと考えられる。これらの情報をもとに、ミトコンドリア形質転換用プラスミドを再構築することにしている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ito,Y.et al.: "RNA editing of transcripts of the gene for apocytochrome b(cob)in rice mitochondria." Genes & Genet.Syst.71. 85-89 (1996)

  • [文献書誌] Nakazono,M.et al.: "Multiple initiation sites for transcription of a gene for subunit 1 of F1-ATPase(atp1)in rice mitochondria." Curr.Genet.29. 417-422 (1996)

  • [文献書誌] Suzuki,T.et al.: "Variability of mitochondrial subgenomic molecules in the meristematic cells of higher plants." Genes & Genet.Syst.71. 329-333 (1996)

  • [文献書誌] Nakazono,M.et al.: "A chloroplast-derived sequence is utilized as a source of promoter sequences for the gene for subunit 9 of NADH dehydrogenase(nad9)in rice mitochondria." Mol.Gen.Genet.252. 371-378 (1996)

  • [文献書誌] Kadowaki,K.et al.: "Targeting presequence acquisiton after mitochondrial gene transfer to the nucleus occurs by duplication of existing targeting signal." EMBO J.15. 6652-6661 (1996)

  • [文献書誌] Miyata,S.et al.: "Four kinds of plasmid-like DNA of rice mitochondria are transcribed." Breed.Sci.47. 51-55 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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