研究課題/領域番号 |
06556004
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
稲永 忍 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (40124664)
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研究分担者 |
室田 憲一 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 講師(COE研究員)
足森 雅己 鳥取県工業試験場, 応用電子科, 科長
杉本 幸裕 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (10243411)
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キーワード | アコースティックエミッション / 回施運動 / 種子根 / 根端 / トウモロコシ / 非破壊計測 / 根の伸長 |
研究概要 |
植物の養水分吸収能力の研究において、土壌中に生育する根系の空間的分布を経時的かつ非破壊的に計測することは重要である。既存の根系非破壊計測法としてはライゾトロン法、ミニライゾトロン法、NMR法などが知られている。しかし、これらの方法はいずれも装置の主要部分である観察面が根の発育そのものに影響を与えるなどの弱点を有する。そのためこうした弱点の少ない根系非破壊計測法の開発が望まれている。 本研究では、AEセンサーを用いて、土壌中における植物の根の空間的な生育の様相を非破壊的に計測する新しい方法の開発を試みた。この方法は、植物の根が土壌中を伸長する際に、土壌粒子同志の接触によって音響パルスを発生させ、このパルスをカウント数として検出することによって根の生育を非破壊的に連続して計測しようとするものである。ステンレス製の容器(15×15×200mm)の4側面に、AEセンサーを鉛直方向に15mm間隔で3個ずつ設置し、この容器内を生育する根の根端位置を計測した。空間的な根端位置は、直交するX、Y、Zの3つの空間座標を用いて表した。各々の軸と直交する向かい合った2面上に配置されている各AEセンサーのAE感知信号数から相対感知信号数を算出した。xおよびy軸上において算出した相対感知信号数と、各軸上の根端位置との間に直線関係が認められた。xおよびy軸上の根端位置は、根端位置の実測と向かい合った2面間の相対関知信号数との回帰によって得られた式Y=0.740-0.0420Xから算出できる。このように、空間的な根端位置を常に算出することができ、この方法を用いてトウモロコシの種子根の伸長を空間的に計測したところ、根端の軌跡は実際の種子根の形状とほぼ一致した。また、根の伸長方向も空間的に計測できることが明らかになった。
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