研究課題/領域番号 |
06556011
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三枝 正彦 東北大学, 農学部附属農場, 教授 (10005655)
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研究分担者 |
陽 捷行 国際農林水産業, 研究センター, 部長研究員
前 忠彦 東北大学, 農学部, 教授 (60134029)
金田 吉弘 秋田県, 農場試験場, 主任研究員
安藤 豊 山形大学, 農学部, 教授 (90005661)
伊藤 豊彰 東北大学, 農学部附属農場, 助教授 (10176349)
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キーワード | 肥効調節型肥料 / 水稲移植栽培 / 不耕起栽培 / 水稲直播栽培 / 省力・低コスト栽培 / 環境負荷軽減 / デントコーン / 重窒素トレーサ法 |
研究概要 |
前年度に引き続き、気候や土壌型を異にする水田土壌において、肥効調節型肥料(POCUs-100)を用いた水稲の育苗箱全量施肥不耕起移植栽培を行い、本農法が気候や土壌型を問わず環境負荷が少なく、また省力、低コストな栽培法であることを明らかにした。また、新に開発した溶出期間が10日、30日と短いPOCU-10,-30を移植直前に育苗箱に上乗せすることで水稲の初期生育が確保された。POCU-10,-30の重窒素追跡法による利用率を検討したところ、51-58%と基肥硫安の利用率18-23%より著しく高い値であった。また重窒素ラベル稲藁の耕起および不耕起栽培における分解過程を追跡し、その利用率は土壌型、耕起法を問わず10%程度であることを明らかにした。更に、不耕起移植栽培としては最も省力的と思われる乳苗の育苗箱全量施肥不耕起移植栽培を検討したところ、ラグタイムが10日と短いPOCU1/3s-100(今年度開発)、厚さ15mmに改良したロックウ-ル、厚播(250g/箱)を行うことによって、乳苗の耕起栽培と同等あるいはそれ以上の玄米収量を得ることができた。一方、Y字型播種溝を用いる水稲の不耕起直播無覆土湛水栽培を検討し、硝酸態窒素を含むPOCUを用いると苗立ち率が向上すること、条間隔を30cmから20cmに密にすると耕起移植栽培と同等な玄米収量が得られた。 各種施肥形態を組み合わせたデントコーンの接触施肥不耕起栽培を検討し、硫安を含む処理区では濃度障害による著しい発芽率の低下と植物体の枯死が認められた。これに対してPOCU-30+POCU-70区では発芽障害が起こらず、また生育耕起まで継続した窒素供給が行われ、耕起栽培よりむしろ高い収量が得られた。
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