研究課題/領域番号 |
06556021
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伏木 亨 京都大学, 農学部, 教授 (20135544)
|
研究分担者 |
井上 和生 京都大学, 農学部, 助手 (80213148)
河田 照雄 京都大学, 農学部, 助教授 (10177701)
|
キーワード | コレシストキニン / 食物認識 / 消化管 / 消化・吸収促進 |
研究概要 |
消化管が食物構成成分をどのような機構で認識して、ホルモン分泌刺激に変換するのかを研究した結果、脂肪については、脂肪酸が刺激作用を持ち、トリグリセリドの形では脂肪として認識されないことを明らかにした。さらに、炭素鎖長がC8以上のが特異的に認識される機構が存在することを示した。また、脂肪酸の末端カルボキシル基は非常に重要であり、この部分を、メチルエステル、エチルエステル、あるいはエーテルの形にしたものは、脂肪酸として認識されず、消化管ホルモンの分泌にも関与しないことを示唆する結果を得た。 消化管における脂肪酸の認識から消化管ホルモン分泌に至る経路には、細胞内カルシウムの増加のステップが存在し、ラット小腸をコラゲナーゼで分散したものについても、脂肪酸によってカルシウムの動員がおこることを、放射性のカルシウムを用いた実験で明らかにした。このとき、カルボキシル基を有するグルタミン酸やアスパラギン酸が脂肪酸によるカルシウム動員を阻害したことから、脂肪酸のカルボキシル基の重要性が裏付けられた。さらに、脂肪酸の結合蛋白質として、脂肪細胞などで明らかにされている蛋白質にたいする抗体を入手し、これを用いて脂肪酸による細胞のカルシウム動員を指標にして検討を加えたところ、消化管の脂肪酸認識においても、この蛋白質が関与していることを示唆する結果を得たので、今後、この点を中心に、消化管の脂肪酸認識機構を解明して行く予定である。
|