研究課題/領域番号 |
06556022
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 秀夫 東京大学, 農学部, 助教授 (70126069)
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研究分担者 |
田坂 聡明 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20147474)
清水 裕子 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (30143184)
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キーワード | 作業服 / 衣内気候 / 新素材 / 下刈作業 / 暑熱環境 / 冬季作業服 / 水冷ベスト |
研究概要 |
1.前年度は新素材を用いた夏季作業服について野外での検討を中心に行ったが、今年度は、従来の綿、麻の作業服とも比較しながら、人工気象室で快適性も含めた検討を行った。綿や麻も夏季作業服としてすぐれた素材であることから、着用時においては新素材との顕著な差は見られなくなった。実験の結果、ゆとり量をとって衣服内空間を大きくすること、開口部をとることによって換気の促進をすすめる必要性があることが示唆された。 2.林業作業では冬季でも発汗を伴うことがあり、衣内気候の調節がむずかしく、防寒や保温性と同時に通気性や透湿性に対する衣服の工夫が必要である。今年度は、前年度から試作設計を行ってきた冬季林業用作業服について、実際の作業現場での検討を行った。試作作業服のうち、ポリエステル・綿の高次複重層糸を素材とする1縦列背部開閉式および2縦列背部開閉式に関しては、重ね着を上手にしながら背部の換気孔の開閉を適宜行うことにより、最内層の温度を保護しながら衣内の湿度を調節することができた。作業服の素材は通気抵抗が大きいため、換気孔を閉じることにより作業服背部裏側の温度が約5℃上昇しており、保温性も確保されていた。 3.発汗を伴う冬季作業では、下着交換の重要性に着目して、ポリエステル10%、ポリノジック(タフセル)90%の高吸水性不織布を素材として、汗で濡れた場合に着衣のまま容易に脱ぐことができる下着を設計した。実際の作業現場の適用結果でも着用感は良好であり、所期の設計どおり衣服を着たまま容易に脱ぐことができた。 4.前年度来の成果をとりまとめつつ、順次、学会誌等に投稿、発表中であるが、今回の成果をさらにすすめて、生理的負担の積極的軽減に関する具体的検討にも取り組んでいる。雨具に関しては、気温等の条件も複雑になるが、今回試作した吸汗性下着との併用も含めてさらに研究をすすめている。
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