研究課題/領域番号 |
06556027
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
荻山 紘一 山形大学, 農学部, 教授 (60038239)
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研究分担者 |
塚原 初男 山形大学, 農学部, 教授 (30007083)
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キーワード | スギヒラタケ / マツオ-ジ / 大量迅速増殖 / ホダ化伐根抽出物 / 菌糸生長阻害作用 / 光照射 / 林地栽培 / 人工栽培化 |
研究概要 |
褐色腐朽性担子菌、スギヒラタケ(Pleurocybella porrigens)とマツオ-ジ(Lentinus lepideus)の人工栽培化のため、優良種菌の大量迅速増殖を試みた.バイオリアクターの利用により、スギヒラタケ、マツオ-ジの種菌を大量に培養できることが確認された.調製した種菌による林地スギ伐根への大量植菌による早期ホダ化を検討したが、気候的に不適当なため結果は、まだ確認できていない.木粉培地などによる室内栽培は、コメヌカ添加ブナ木粉(マツオ-ジではスギも)培地により達成された.液体培養では培養液pHは菌糸により4.23〜7.58まで種々、変化した.しかし、培養・子実体発生に成功した種菌は、限られた系統のみで(スギヒラタケ1系統、マツオ-ジ3系統)、培養・発生条件については引続き検討して行く必要がある.林地栽培のための環境条件解析実験の一つとして、スギヒラタケ菌による自然ホダ化スギ伐根の化学分析を試み、その抽出物の菌糸生長に及ぼす効果を調べた.スギヒラタケ、マツオ-ジいずれの菌糸も新鮮なスギ抽出物よりは遙かに弱い効果であるが、ホダ化伐根抽出物により菌糸生長阻害作用を被った.自然界においてスギヒラタケ菌はスギに付着し、スギに含有される強力な生長阻害作用物質の作用を受けつつ、木質を分解し資化するもので、優先的にスギに寄生する理由は、スギヒラタケ菌のスギの生長阻害物質に対する抵抗力にある可能性が高いと思われる.又、マツオ-ジ、スギヒラタケの発生状況の観察から子実体発生には、強力な光照射が必要なことが推測された. 林地栽培、室内での容器栽培について再度、検討を加えると共に、研究全般の総括を次年度中に実施したい.
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