研究課題/領域番号 |
06556031
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
樋口 光夫 九州大学, 農学部, 教授 (80038257)
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研究分担者 |
遠矢 良太郎 鹿児島県工業技術センター木材工業部, 部長
岩下 幸光 熊本県林業研究指導所木材加工部, 主任技師
平野 吉男 福岡県工業技術センターインテリア研究所, 技師
藤元 正二 福岡県工業技術センターインテリア研究所, 技術開発課長
堀田 義夫 松栄化学工業(株)九州工場, 次長
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キーワード | スギ材 / 化学改質 / メチロール化フェノール / エクステリア用材 / 家具用材 / 樹脂注入 |
研究概要 |
1.平成7年10月20日,21日に研究組織全体による研究結果中間報告・検討会議を福岡市において開催した。 2.スギ剥き丸太への中性フェノール樹脂の減圧・加圧注入試験を行い以下のことが分かった。(1)注入量は材の含水率が低いほど、また心材率が低いほど多いという従来からの知見どおりの結果であるが、4級アンモニウム化合物系の防腐剤液に比べて2倍近い注入量(液量)が得られる。(2)濃度10%程度の樹脂液の注入で材の乾燥割れが著しく抑制される。また、割れのある材への注入で割れが閉じたり狭まるなどの修復も起こる。これらは剥き丸太の製品歩留まりと商品価値を高める上で大いに有用である。 3.中性フェノール樹脂注入処理スギラミナで集成材を作り、木製サッシを試作した。サッシへの加工には問題はなく、釘の引き抜き抵抗は樹脂注入により向上し、寸法安定性も表面硬度も無処理材より格段に高い。実使用による試験を開始した。 4.スギ材の家具用材としての利用では、屋内用家具には他材料との競争という観点からスギの軽いという特徴を生かすことが重要であるという結論に達した。そのためには材内部までの樹脂注入は行わず表面層のみへの注入を行うこと、および表面圧密化により表面を強化することで実用化を目指すことにした。屋外用家具には耐候性を持たせるために材表面層のみでなく材内部へも樹脂注入を行い、表面炭化処理や塗装などを検討することにした。 5.フェノール樹脂注入処理材の廃棄処理あるいは廃材の利用として炭化処理と炭化物の利用を考え、炭化処理条件と生成ガスおよびタール成分についての研究を開始した。
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