研究概要 |
ラッキョウの植付け作業は人力により40,000-45,000球/10aを1球ずつ植付ける。経営者は、老齢化と7月下旬から9月上旬にかけての炎天下での腰を曲げての作業のため労働力確保に悩んでいる。通常3人1組で作業を行い、7-8時間/10a/3人の能率である。 本研究の目的の一つは、この植付け作業の機械化で、トラクタアタッチメント方式の6条用半自動植付機を開発した。従来の作条機の後部に播種管を取り付け、自然落下により手植えと同様鉛直に植付ける機構で、種球の供給を3または2名の作業者に依存する。作業者はロータリの上部に座して慣行法の植付けと同様に種球を調製せずに種球カップに供給する。転動輪によって種球カップ底部のシャッタが開閉し、膨軟な播種床に着地する。 試作機は耕うん、作条および植付けおよび覆土作業を同時に行う。圃場実験の結果、手植えの慣行方法に較べて2倍以上の作業能率を示し、株間や植付け深さがより一定となった。本半自動植付機は将来、全自動ラッキョウ植付機の開発導入にいたるまでの間、労働環境の向上、雇用労働力不足の緩和に伴う規模拡大への道が開ける可能性を有する。 収穫後の調製作業の機械化をめざして、洗いおよび根付きラッキョウ調製機を設計試作した。これらの試作機は包丁に向かっての調製に較べて、安全で切断に要する力や精神的ストレスを軽減できる。しかし、洗いラッキョウ調製機については能率精度において慣行法に劣る。 根付きラッキョウ調製機については、包丁よりも高い能率であるが、搬送ベルトの耐久性の改善を今後必要とする。
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