研究課題
平成7年度は主として搾乳ロボットシステムの評価を行った。平成8年度はこれを維持すると共に農家レベルでの実用化のための研究を行った。主な結果は以下の通りである。(1)北海道十勝地方の農家に搾乳ロボットを設置し、このシステムへの牛の馴化の過程を調査し、最適な馴化方法は、1)搾乳ボックスまで牛を濃厚飼料で誘導し、ボックス内を通過させる。2)ボックス内で濃厚飼料を食べさせる。3)牛に濃厚飼料を食べさせながら搾乳ボックスの扉を開閉し、扉の開閉に馴れさせる。4)牛の状態を観察しながらロボット搾乳を行う。(2)帯広畜産大学の搾乳ロボット(搾乳ボックスが2個)および栃木県那須町の農家の搾乳ロボット(搾乳ボックスが3個)について1日3回搾乳においての搾乳効率の比較を行った。また搾乳牛の行動についても比較した。1)2ボックス型の搾乳ロボットの搾乳効率は13〜14頭/時、3ボックス型の場合は20〜22頭/時であった。2)定刻搾乳の場合は搾乳牛が70頭以上になると3ボックス型の搾乳ロボットにおいても牛の行動が抑制されることが明らかとなった。(3)搾乳時刻を固定しない自由搾乳についての実用試験を行った。この搾乳方法は搾乳ロボットは牛が搾乳ロボットに入れば常時稼働できるように設定するものである。研究は帯広畜産大学農場で行った。1)1日2回搾乳の労力で3回搾乳が可能であることが明らかとなった。2)牛の行動は定刻搾乳より自由搾乳の方がゆとりがあり、無駄な行動の束縛が少なかった。3)搾乳ロボットを効率よく利用するためには、自由搾乳が有効であることが明らかとなった。
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