研究課題/領域番号 |
06556049
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前出 吉光 北海道大学, 獣医学部, 教授 (40002084)
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研究分担者 |
菅沼 彰純 株式会社エーザイ, 研究開発本部, 研究員
杉本 千尋 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (90231373)
高橋 清志 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (90048108)
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キーワード | ピロプラズマ / タイレリア / バベシア / 培養 / 網赤血球 |
研究概要 |
家畜のピロプラズマ原虫の人工培養法を確立することを目的として、本研究ではウシ寄生のTheileria surgentiおよびイヌ寄生のBabesia gibsoniについて、網赤血球を用いた培養法を検討した。 1.T.surgentiの培養 (1)貧血牛から採血し、Percoll溶液を用いた比重遠心法により網赤血球を分離した。ヘマトクリット値3%に調整した網赤血球浮遊液とT.surgenti寄生赤血球を混合し、ウシ胎子血清を40%(v/v)に添加したアルファ・メジウム中で、5%炭素ガス通気下、37℃で培養した。その結果、T.surgentiは培養6日目まで生存が確認された。しかし赤血球寄生率は上昇がみられず、この条件下では増殖しないものと考えられた。 (2)上述のように、T.surgentiは人工培地での増殖がみられなかったが、その原因として、培養赤血球の変性が考えられた。そこでT.surgenti感染に伴う赤血球の変化を検討した。その結果、感染牛赤血球ではシアル酸含有糖脂質(グングリオシド)の構成異常が認められた。さらに、T.surgentiのメロゾイドを分離して、ウシ赤血球ガングリオシドを含有するソポソームと共に培養したところ、同様に同糖脂質の変化が観察された。 以上の結果から、培養赤血球の糖脂質の変化が原虫増殖に影響を及ぼす可能性が考えられた。 2.Babesia gibsoniの培養 (1)B.gibsoniは、イヌ血清を添加したアルファメジウム中で網赤血球と共に培養すると著しく増殖した。 (2)上記培養において、網赤血球溶血液を添加することにより原虫増殖は促進された。 以上から、網赤血球中にはB.gibsoniの増殖促進因子が存在することが示唆された。今後は同因子を固定することが最も重要な課題であると考えられた。
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