研究課題/領域番号 |
06556050
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
唐木 英明 東京大学, 農学部, 教授 (60011912)
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研究分担者 |
松田 譲 協和発酵工業, 東京研究所
局 博一 東京大学, 農学部, 助教授 (30142095)
菅野 茂 東京大学, 農学部, 教授 (70111482)
堀 正敏 東京大学, 農学部, 助手 (70211547)
尾崎 博 東京大学, 農学部, 助教授 (30134505)
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キーワード | 血管平滑筋 / 血管内皮 / 消化管平滑筋 / エンドセリン |
研究概要 |
本年度はエンドセリンの血管と消化管の収縮機能に対する作用に関与する受容体を同定し、その拮抗薬の探索を行った。エンドセリンはラット大動脈平滑筋に作用してこれを収縮させること、この作用はエンドセリンA受容体を介することが知られている。他方、エンドセリンは血管内皮に作用して一酸化窒素を遊離し、血管を弛緩させること、この作用はエンドセリンB受容体を介することが知られている。そこで、これらの作用に対する拮抗薬の作用を検討した。血管内皮を除去したラット大動脈において、エンドセリン-1は強い収縮作用を示し、エンドセリン-3は弱い収縮作用を示した。IRL1038(チバガイギ-)とRES-701-1(協和発酵)はこれらの収縮には全く影響しなかった。血管内皮が付着したラット大動脈において、ノルエピネフリンは収縮作用を示した。ここにエンドセリン-1およびエンドセリン-3を投与するとほぼ同程度の弛緩が起こった。この弛緩は内皮の除去および一酸化窒素合成酵素阻害薬モノメチルアルギニンで抑制されたので、内皮からの一酸化窒素遊離により起こったものと考えられた。この作用はIRL1038およびRES-701-1により濃度依存性に抑制された。モルモット小腸ではカルバコール収縮時にエンドセリン-1およびエンドセリン-3を投与するとほぼ同程度の弛緩が起こった。この弛緩は初期に一過性の相があり、その後持続性の相があった。IRL1038およびRES-701-1は持続性の弛緩には全く影響せずに、一過性の弛緩を濃度依存性に抑制した。以上の成績から、IRL1038およびRES-701-1は選択的なエンドセリンB受容体の拮抗薬であること、小腸の弛緩の一部は非定型的なエンドセリンB受容体(B2型)によること、これらの拮抗薬はB1型の選択的拮抗薬であり、B2型には無効であることが示された。
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