研究課題/領域番号 |
06556053
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
鈴木 直義 北里大学, 獣畜学部, 教授 (10003071)
|
研究分担者 |
小俣 吉孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10132987)
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 助教授 (80159582)
長沢 秀行 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 教授 (60172524)
斎藤 篤志 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10002263)
豊田 裕 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 教授 (90050418)
|
キーワード | トキソプラズマ / 動物 / オビオペプチド / 免疫調整物質 / 免疫抑制物質 / 免疫賦活物質 / TLA / リンパ球 / マクロファージ |
研究概要 |
研究代表者らが1966年以来継続研究の中で1974年にトキソプラズマ感染動物由来リンパ球産生物質(サイトカイン=リンフォカイン)中に細胞内原虫増殖抑制作用物質(Toxoplasma Growth Inhibitory Factor-Toxo-GIF)を世界で最初に発見し、分離・精製を行い、最終的に類似活性単位としての新規の免疫調整作用物質、合成ペプチド、の作成に成功した。(Obiopeptides-1,2,3,4).世界成人の約30%がトキソプラズマ原虫に感染し不顕性感染の状態で脳・筋肉内にシストを形成し、人の体内に共生する。臓器移植時の大量免疫抑制剤投与、あるいは諸種微生物感染(例えばエイズ感染)による宿主免疫不全状態になると脳内トキソプラズマ・シストが破裂して無数の栄養型トキソプラズマ原虫が脳細胞内で増殖し劇症脳障害で例外なく1カ月以内に全例急性死する。一般的に用いられる免疫抑制剤、サイクロプォスファマイドをトキソプラズマ感染脳内シスト保有マウスに一週間に一度、大量投与すると投与後4-5週目に80-100%のマウスが死亡する。その脳内トキソプラズマ・シストの一部は破壊され栄養型虫体の増殖散在像が観察される。一方、同一条件のマウスに免疫調整作用物質、オビオペプチドを週1回の割合で経口投与すると、80%以上のマウスが生残し、脳内トキソプラズマ・シストの破壊像は殆ど観察されない。生体内脾臓細胞および末梢リンパ球数の検索結果では、白血球数の変動、特にオビオペプチド投与マウスでのCD4リンパ球減少の度合が非投与マウスに比較して軽度であり、種々の検索結果からトキソプラズマ・シスト破壊はCD4:CD8の減少程度に関係が密であると推測された。しかし、現在までの検討結果からは、オビオペプチドの宿主作用機序は残念ながら明確にすることができず、関連研究者の多角的かつ総合的に研究継続する事が必須であると結論された。
|