研究課題/領域番号 |
06556055
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
竹内 啓 山口大学, 農学部, 教授 (90011874)
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研究分担者 |
大西 堂文 山口大学, 農学部, 教授 (60081593)
田浦 保穂 山口大学, 農学部, 助教授 (80163153)
中間 實徳 山口大学, 農学部, 教授 (90081596)
林 俊春 山口大学, 農学部, 教授 (90111484)
牧田 登之 山口大学, 農学部, 教授 (90035105)
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キーワード | 獣医学 / 永久磁石型MRI / 画像診断 / 診断システム / 神経疾患 / 胸腹部疾患 / 運動器疾患 / 放射線学的評価 |
研究概要 |
永久磁石型MRI装置を用いて得られる画像の評価を多角的、体系的・組織的に行った研究は、国の内外の獣医学的領域では未だほとんど行われていない。とくに牛馬等の大動物のMRI撮像は、全身麻酔や保定、ガントリ-の大きさ、適切なコイルの選択などの多くの問題があり、正常例及び疾患例を含めた実施例はTaura,Takeuchiらの報告(1994)以外には、見当らない。従来のX線検査や超音波エコー検査を用いての診断が不可能であった脳や脊髄等の中枢神経系のMRI画像は鮮明であり、かつ任意の断層像が得られることから、特に有用性が高った。また低磁場MRI装置の適用外とされていた腹部臓器についても、適切な条件を設定することにより、診断可能な鮮明画像が得られた。またMRI検査には安全で適切な全身麻酔と保定法が必要であるが、小動物は静脈麻酔で十分管理でき、重症例では吸入麻酔を応用した。その際、吸入麻酔器が磁石に引寄せられないようにをガントリ-から離す必要があった。牛馬では、混合静脈麻酔剤の点滴にて導入し、大動物用吸入麻酔器で維持麻酔し、ホ-クリフトを用いて試作した多目的MRI用寝台に乗せ保定後、MRI検査室に搬入することで検査を可能とした。 永久磁石型MRI装置は、低磁場ではあるが低価格・低ランニングコストであり、かつMRIの最大の利点である画像構成因子の可変性を備えていた。いろいろの強調画像を得えながら、さまざまな動物(犬猫牛馬)の各臓器・組織の形態・機能を最も正しく反映する条件を確立し、元来人間用の装置ではあるが、十分診断可能な画像を得られるに至った。しかし撮像時間が長い欠点は大きく、麻酔方法を改善する必要があった。撮像可能な部位としては、小動物では脳脊髄の他に腹腔臓器や胸腔も挙げられ、大動物では、ガントリ-内に被検部位が入りさえすれば撮像可能であったが、小動物では逆に小さすぎて低鮮鋭度のものがあり、コイル等の開発が望まれた。そこで今回QDコイルを導入したところ、より鮮明な画像が得られ診断範囲がさらに向上した。関節に関しては3DFT法により関節内軟骨病変が肉眼検査や関節鏡検査とほぼ同様な所見が得られた。
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