研究課題
試験研究(B)
残廃木材の効率的収集、リサイクル適正技術による再資源化についてのシステム構築を行ったが、平成7年1月17日の阪神・淡路大震災によって生じた膨大な崩壊木造建築物排出材のそれについては新しい対応が焦眉の急となり、このことによって、とくに、残廃材、排出材収集技術面では、車載型粉砕システム、車載型焼成システム、二段式焼成システム(特許申請中)を創出することに成功した。室温から2400℃の高温に至る広い温度範囲においてスギ間伐材をN_2、Arおよび還元性雰囲気下で焼成し、光触媒反応に重大な係わりを持つ、電気的特性と熱的特性について検討を加え、昇温過程において金属とは全く異なる特徴的な動態を示すことを確認した。これらの熱変換焼成炭化物により液相(水系)金属汚染とくにCr、Cu、Zn、As、Cd、Hg、Pbのそれにおいての吸着性能は昇温によって向上し、Asを除く重金属吸着が顕著であり、Hgに対する選択吸着性能の優れていることを究明した(第211回米国化学会1996・3・25発表)。また、気相におけるNOx汚染では、焼成炭化物に対する金属アルコキシドによる木炭・金属酸化物複合材料を調製して、NOxの無害化の検討を行い、光照射下におけるNOxの吸着およびN_2への無害化の事実を見い出した(第211回米国化学会1996・3・28発表)。フロン類の使用制限によって電子工業、精密機械工業における有機洗浄剤としてイソプロピルアルコールの重要性が増しているが、密閉系の精密工業プロセスでのアルコール環境汚染も重大で、これについても焼性温度により選択的吸着性能をもつ焼成炭を調製することにより新しい指針を得た。汚染気相・汚染液相の浄化・制御を効率的かつ適正に行うため、顆粒化技術により、賦活化された熱変換焼成物をフィルム化、シート化、連続気泡化に成功し、積層化、多重複合化による環境浄化・制御材料開発の基盤を創生することを可能とした。
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