研究分担者 |
繁野 雅次 セイコー電子工業, 科学機器事業部, 研究員
安武 正敏 セイコー電子工業, 科学機器事業部, (研究職)主査
吉岡 光弘 北海道大学, 医学部, 助教授 (40182729)
牛木 辰男 北海道大学, 医学部, 助教授 (40184999)
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研究概要 |
本年度は以下の3点について研究を進めた. 1.生命科学研究用の原子間力-イオン電流顕微鏡に使うための微小ピペットを検討した.またそれによる測定に適した制御系を検討し,設計図を作成した.これに基づき,部品を購入し装置の試作を行った.この顕微鏡による実際の試料測定は,次年度に行う予定である. 2.原子間力-フォトン顕微鏡には光ファイバーを用いた特殊な探針が必要である.そのような針を試作し,それに適した制御系を検討した.それに基づき,部品を購入しフォトン顕微鏡を試作した.その結果,まず可視光を用いたフォトン顕微鏡像を,従来の原子間力顕微鏡像と同時に測定することができるようになった.さらに安定した画像が得られるように現在種々の改良を行っている.また生命科学研究用には蛍光観察が必要であるという考えから,現在蛍光観察が可能なように試作機の改良も行っている.今年度は,蛍光ビーズなどの測定を行いながらこの装置の像判定を行った.次年度は,この顕微鏡で実際の生物試料を測定し,実用可能な顕微鏡とするために,さらに改良を行う予定でいる. 3.上述の顕微鏡を用いる予備実験として,従来の原子間力顕微鏡により生物試料の観察を行い,この顕微鏡の生物応用における問題点を検討した.これにより,生物観察に適した試料作製法・試料固着法まどを開発した.また測定モードにおける像の違い等についても検討した.このような予備実験で得た成果をもとに,次年度はイオン電流顕微鏡とフォトン顕微鏡の観察に適した標本の作製法,観察条件などを検討していく予定である.
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