研究課題/領域番号 |
06557007
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小坂 光男 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30079983)
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研究分担者 |
斉藤 宗雄 財団法人実験動物中央研究所, 飼育技術研究室々長 (50167417)
酒井 秋男 信州大学, 医学部, 助教授 (70020758)
松本 孝朗 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60199875)
大渡 伸 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (80128165)
土屋 勝彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (90073006)
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キーワード | 弱熱耐性 / 行動性体温調節 / ナキウサギ / 実験動物モデル / 寒冷ショック蛋白(CSP) / 熱ショック蛋白(HSP) / SDS-PAGE / Western Blotting |
研究概要 |
平成6年度は (I)モンゴル・ナキウサギ捕獲班による現地調査研究 班員名:小坂光男、松本孝朗、酒井秋男、斎藤宗雄、松崎哲也 期間:1994年7月24日〜31日 研究課題:テレメータを用いた野生ナキウサギの体温測定の試み(松本、小坂、斎藤、酒井、松崎) ナキウサギは、高地・寒冷順化動物モデルとして注目され、我々は、これまでに高体温(直腸温39.6℃),高代謝率、熱放散反応の乏しいことを報告してきた。今回、モンゴルにおいてテレメータを用いた野生ナキウサギの体温測定を試みた。現地で捕獲した2羽のナキウサギに埋め込み手術を行い捕獲地点に再び放した。短時間のデータではあるが、39.5℃から40℃を示し、これまでの実験室内での高体温が、無拘束・自然状態の野生ナキウサギにおいて確認された。 (II)上海の中国科学院上海実験動物中心におけるクチグロナキウサギの寒冷耐性実験 班員名:小坂光男、大渡 伸、嶋津宗典(大学院生) 期間:1994年12月8日〜15日 研究課題:ナキウサギの寒冷耐性に関する研究(大渡、嶋津、小坂) (1)クチグロナキウサギ(Ochotona curzoniae)の捕獲と室内飼育について 棲息地:中国・青海省、高原、高度3200m 気候:夏(5〜21℃)冬(2〜7℃)、年間平均湿度6%、10〜4月まで積雪 捕獲時期:夏期( 〜1994.9.30) 捕獲数:87匹(年2回繁殖:4〜5月、9〜10月、(4〜6児) 9月30日まで生存していた71匹を上海実験動物センターへ移送。12月8日まで23匹死亡 死因:(1)移送途中……5匹 (2)高温(29〜37℃)……12匹 (3)下痢(飼料)……6匹(実中研の飼料が切れて、上海実験動物センターの飼料を使用) (2)【実験】(a)対照群(17匹) 体重:195.5±9.0g 体長:18.8±0.4cm (b)寒冷暴露群(12匹)氷で冷やし、直腸温が20℃となった時点で冷却中止。後日、長崎にてSDS-PAGE……4例 Western Blotting2例を実施Dataを解析中(生存率:50%) 体重:178.0±7.9g 体長:16.2±0.1cm (c)暑熱暴露群(10匹)温水で温め、直腸温が42℃となった時点で加温中止。後日、長崎にてSDS-PAGE……4例 Western Blotting2例を実施Dataを解析中(生存率:100%)24時間後の臓器摘出の時、肺・肝臓等に出血班。 体重:211.8±7.9g 体長:17.4±0.3cm (III)長崎大学熱帯医学研究所におけるアフガン・ナキウサギの飼育と実験 アフガン・バイカは目下、実中研18匹、長崎大学熱研3匹となり、新仔アフガン・バイカの導入交雑・繁殖飼育の要り。 班員名:小坂光男、松本孝朗、羅 宗偉(大学院生) 研究課題:アフガン・ナキウサギによる熱放散能の解析(羅、松本、小坂) ナキウサギを代謝cageに入れて暑熱ストレス条件による各種熱放散反応指標の測定、記録、解析を実施している。 (IV)中国首都医学院基礎医学研究所におけるクチグロナキウサギの飼育状況について 北京の同上研究所の実験動物科学部の主任 揚 果杰教授に依頼し、目下、青海省西寧の高原ナキウサギ63匹を室内飼育中であり、平成7年度には北京現地にて研究を実施する予定である。
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