研究分担者 |
斉藤 宗雄 財団法人実験動物中央研究所, 飼育技術研究室々長 (50167417)
酒井 秋男 信州大学, 医学部, 助教授 (70020758)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
松本 孝朗 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60199875)
大渡 伸 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (80128165)
|
研究概要 |
平成7年度内において当該研究課題につき下記の実験研究成果を得たので茲に報告する。 (1)現有のアフガン・ナキウサギ(n=8)の体温調節反応の日内変動につき、ウサギ、ラット、スナネズミと比較検討したところ、ウサギ、ラットでは明暗期における日内変動が顕著に認められたが、ナキウサギではスナネズミ同様日内変動の振幅が小さく、日内リズムの形成に弱点のある事が判明、ナキウサギでは巣穴の生活が長く、明暗時間の比率に問題があると推測される。 (2)野性モンゴリアン・ナキウサギを追ってUndur Dov(ウランバートルの西40km地点、高度1350m)にてモンゴリアン・ナキウサギを捕獲し、テレメーターを用いて、草原に巣を作っている野性ナキウサギの生態観察および巣穴を含めて、Free-runの状態で体温測定・記録した。頭部埋込み発信器のパルス信号を体温(℃)に変換したところ、39.65℃および39.96℃と従来の室内飼育のアフガン・ナキウサギ同様高体温を記録出来た。この実験成績は(Ochotona rufescens rufescens)同様(Ochotona dauriaca)でも種差を超えて高体温を維持している事を再確認出来た。 (3)中国・北京・首都医科大学にて、クチグロ・ナキウサギ(PI:n=6)、冬眠動物のリス(SQ:n=6)、冬眠動物 黄色ラット(YR:n=6)を用いて体重(PI:162g,SQ:124g,YR:233g)、身長(PI:17.3cm,SQ:16.1cm,YR:18.3cm)、血糖値(PI:95.3mg/dl,SQ:95.3mg/dl,YR:159.5mg/dl)、乳酸値(PI:4.28mg/dl,SQ:4.28mg/dl,YR:4.07mg/dl)、直腸温(PI:39.3℃,SQ:38.6℃,YR:35,7℃)の基準値を測定、次回以後の研究の参考データに資すべく、比較検討した。各3群で体重と身長は有意差あり、血糖値はYR>RI>SQ乳酸値は有意差なく、直腸温はPI>SQ>YRで有意であった。 以上の結果は将来の研究促進に資する所存である。
|