研究課題/領域番号 |
06557016
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
福田 優 福井医科大学, 医学部, 教授 (60079720)
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研究分担者 |
佐々本 一美 株式会社同仁化学研究所, 研究部, 研究部長
河野 雅弘 日本電子株式会社, 分析機器本部, 研究室長
法木 左近 福井医科大学, 医学部, 助手 (30228374)
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キーワード | ESR / ビオチン / TEMPO / アビジン / スピンアッセイ / ビオチン・TEMPO |
研究概要 |
平成6年度において、TEMPO標識ビオチン(biotin-TEMPO)の合成・精製の方法は確立できた。すなわち、biotin/dry dimethylformamide懸濁液を-10℃に冷却し、triethyl amine(TEA)とisobutylchloroformateを加え、30分攪拌する。これにTEAとamino-TEMPOを加えたのち、室温にもどし攪拌する。反応液を濾過.減圧濃縮したのち、chloroformに溶かし、水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥したあと再度減圧濃縮する。粗製はカラムクロマトグラフで精製し、目的のbiotin-TEMPOを得た。淡褐色粉末、収率74.8%であった。次に、biotin-TEMPOによる生体内アビジン定量の基礎的研究として、同時再現性(n=5)を検討し、CV値は4.1%と高い再現性を得た。IFCC勧告法により求めた検出限界は、0.012mg/mlであった。0.000-0.100mg/mlの範囲で得られた検量線は直線性を示し、その相関係数はγ=0.995であった。干渉物質による影響を調べたが、遊離型ビリルビン・抱合型ビリルビン・溶血ヘモグロビン・乳びに関してその影響は認められなかった。健常者(n=4)の血清中アビジン値の測定を行ったところ、0.037±0.004mg/mlであった。また、IAPが高値を示した、炎症性疾患を疑う症例16例について検討したところ、血清アビジン値は0.040±0.001mg/mlとやや高値を示したが明らかな有意差は認められなかった。今後、さらに腫瘍性疾患症例の血清を測定する予定である。この研究を通して、新たに、TEMPO標識ビオシチン(biocytin-TEMPO)を合成・精製した。これにより、理論的には、新しいビオチニターゼ活性の測定が可能と思われる。
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