研究概要 |
平成7年1月17日の阪神・淡路大震災により、電子顕微鏡の補修を行い、約半年間電子顕微鏡を使わない研究を優先した。即、コクサッキーウィルスと心筋炎についての研究で、PCR法による増幅と半定量化に成果があった。即ち、RT-PCRにより心筋炎、DCM患者よりウイルス感染の有無を検討し、心筋炎で80%、DCMで17%の陽性結果を得た(Int. J. Cardiol., 51, 157-164, 1995).この際RT-PCRの定量的評価にマウスでの検討を行い、1〜10PFUで検出可能であることを示した。その後電子顕微鏡も修理され、研究環境も整った。 電顕では,pre-embeddingでhybridize後,post-embeddingで標識に用いたBrdUを金コロイドラベル抗BrdU抗体で可視化する方法を反復して検討した.副甲状腺でのPTHrPの発現,骨肉腫培養細胞株のp53変異株とp53正常株の比較等で,固定条件やhybridizationの条件を検討し,超微形態の保存にはかなり良好な結果を得た.一方,抗原性の保持,復活との関係から,マイウロウェーブ処理後p53免疫染色を行うと,長期ホルマリン固定等で失われた抗原性が回復する条件等を検討し論文にまとめた(大腸肛門会誌).又,Digoxygeninを用いた方法でマウスインテグリンの発現をマクロファージ細胞について,機能発現との関係を明らかにした.基本的には、超微形態の保持と分子雑種効率の保持についての検討では、それなりの成果を得たが、超微形態の充分な保持にはまだまだ不充分である。最後の年に更に検討したい。
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