研究概要 |
これまでの研究成果を元に検討を継続した.基本的には,1996年8月に名古屋で組織細胞化学会主催の第21回講演会に参加し,電顕レベルin situ hybridization (ISH)の実際を教授した. 研究面では,BrdU法の検討を引き続き行い,超微形態の保持に工夫をこらすべく,種々の方法を検討した.又、マイクロウェーブ固定では,一般的には免疫染色における抗原性の回復に有用とされ,一方では微細構造の保持にも有用と考えられている.実際には癌抑制遺伝子p53の免疫染色では数カ月間ホルマリン固定した分でも抗原性が回復するが,電顕では有効性が微少で証明できなかった.PCR ISHについては,光顕レベルでの予備検討を行ったが,細胞内では保持される増幅産物が,薄切した切片では,場所が動くために局在性の証明には無理があった.Alternative splicingについてはPTHrPのいくつかのエクソンを別々に工夫し,細胞質内における転写後修飾が関与していることを明らかにした. 以上,方法論的には我々が開発したBrdUラベル法を基本に種々の材料で電顕レベルISHが可能であることを示した.
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