研究課題/領域番号 |
06557020
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
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研究分担者 |
鴨頭 峻 大塚製薬(株), 新薬開発部, 部長補佐
秋本 茂 徳島大学, 医学部, 助教授 (10159337)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | Bacteroides fragilis / DNAプローブ / PCR / 迅速診断法 / ノイラミニダーゼ / DNA診断 / 感染症 / rRNAスペーサー領域 |
研究概要 |
Bacteroid fragilis YCH46株とTAL2480株のノイラミニダーゼ構造遺伝子nanHから、これら2株間で保存されている塩基配列を選択し、4種類のPCRプライマーとオリゴヌクレオチドプローブPH1を作製した。これらのPCRプライマーを用いて、nested PCRを行った結果、その検出限界は10CFUのB.fragilisと10fgのchromosomal DNAであった。59株のB.fragilisとB.fragilis以外の45菌種45株を用いた特異性の検定では、firstプライマーセットを用いた場合、B.vulgatusに偽陽性バンドを認めたのみであった。このような偽陽性を除外するため、3'末端ジゴケシゲニン標識オリゴヌクレオチドプローブPH1を用いて、それぞれのPCR増幅産物に対してdot blot hybridizationを行った。この結果、B.fragilisのPCR増幅産物では全て陽性スポットを検出したが、B.fragilis以外の45菌種45株では全て陰性であり、first PCRで偽陽性を示したB.vulgatusを除外することができた。また、B.fragilisによる菌血症モデルマウスを作成し、その血液検体を用いてPCR-dot blot hybridizationを行った。その結果、血液検体中に存在する20CFUのB.fragilisを検出することができ、nanH遺伝子を用いたPCR-dot blot hubridization法は臨床応用可能なB.fragilisの迅速診断法であると考えられた。また、B.fragilisの新たな病原因子としてfibrinogenのα鎖を特異的に分解するプロテアーゼの精製に成功した。さらに、B.fragilisのロイシン合成遺伝子leuBの塩基配列の決定、Bacteroides属における16S-23S rRNAスペーサー領域の解析を行い、新たなB.fragilisの迅速診断法への可能性を示した。
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