研究分担者 |
倉田 寛一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90215038)
村松 正明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50230008)
渡辺 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60240735)
斎藤 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012782)
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研究概要 |
平成6年度までにアデノウイルスベクター(AdV)の各種細胞への感染効率とそれに影響する因子の解析,さらに,サイトカイン遺伝子発現ベクターによる造血刺激などin vivo生物学的活性の検討を行なってきた。これらのデータをふまえ、平成7年度には、以下の検討を行った。 (1)AdVの各種細胞系への感染・遺伝子発想効率の検討 T細胞などvitronectinreceptor低発現細胞への感染効率を検討したが,各種のリンパ球刺激条件下でも遺伝子発現細胞比率は数%にしか上昇しなかった。さらに,サイトカイン・レセプター発現ベクターをCOS細胞に感染させ,FCM解析により,発現がMOI依存性,かつ,heterogenousであることを明らかにした。また,COS細胞を用いて,AdVによるサイトカイン発現量り時間経過を検討した。これらの結果は,AdVをex vivoで感染させた腫瘍細胞のin vivo移植による遺伝子治療の基礎データになると考えられる。 (2)各種サイトカイン発現ベクターの作製とin vivo感染実験 各種のサイトカイン(mIL-2,mIL-4,mIFN-γなど)発現ベクターを作製し,マウスへのin vivo注射によるサイトカイン血中濃度の時間経過と生物学的作用の検討を開始している。 (3)各種サイトカインセレプター発現ベクターの作製とシグナル伝達の検討 さらに,ヒトGM-CSFレセプターαおよびβ鎖およびその変異遺伝子発現ベクターなどを作製し,現在,NIH3T3細胞におけるサイトカイン応答性の獲得(1uciferase assay)を検討している。 以上,本年度は各種ベクターを構築し,大量に精製ウイルスを作製したこと,また,in vivoおよびprimary細胞への感染実験を発展させた。最終年度である平成8年度には,これらのin vivo実験による結論を得る予定である。
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