研究課題/領域番号 |
06557026
|
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
黒沢 良和 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10109259)
|
研究分担者 |
安井 久司 藤田保健衛生大学, 総医研, 助手 (60220141)
伊藤 渉 藤田保健衛生大学, 総医研, 助手 (50192498)
|
キーワード | 人工抗体 / CDR / ファージ抗体 / protein A融合タンパク / データベース / コンピュータネットワーク |
研究概要 |
抗体の抗原結合能及び抗原特異性は抗体V領域のCDR(complementarity-determining region)と呼ばれる6ヶ所を構成するアミノ酸配列によって担われ決定される。そこでこのCDRの配列のみを多様化し、それ以外のフレームワーク部分の配列を一定にした人工抗体ライブラリを作製している。抗体はM13ファージ膜上にcplllタンパクと融合した形で発現される。当初抗体の形としてはFv構造を予定したがCDR配列といえどもV_HとV_Lドメイン会合の安定性に影響する例があることが判明し、V_HとVの間にリンカーを介したsingle-chain F_Fとすることに変更した。この変更により抗体は安定してファージ膜上に発現される。抗原に結合したファージ抗体を回収後、抗体遺伝子はprotein Aの抗体F_Cに結合するドメイン2個と融合した形に容易に変換できる。このF_V-PPタンパクは抗体F_Cと混ぜることにより(F_V-PP)3(F_C)2という3価の疑似抗体となり有効な試薬として用いることができることを証明している。現在様々な人工抗体ライブラリーを作製してそれぞれのライブラリーに含まれる抗体によってどのような抗原をカバーできるかを検討中である。 抗体ライブラリーは一般に公開する予定で、その際には抗原の種類とCDR配列の対応をデータベース化する予定で準備を進めている。その目的のために藤田学園の総医研にネットワークを接続し、データ公開のための体制作りをほぼ完了した。
|