研究課題/領域番号 |
06557026
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
黒沢 良和 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10109259)
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研究分担者 |
伊庭 善孝 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究員
伊藤 渉 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (50192498)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 人工抗体 / ファージ抗体 / 抗原結合力 / 抗原抗体反応 / ポリメラーゼチェーン反応 / 抗原相補性決定領域 |
研究概要 |
本研究は、それをスクリーニングするだけで様々な抗原に対してそれぞれ特異的に結合する抗体が必ず含まれる人工抗体ライブラリー作製を目標に遂行されている。抗体はFabの形でM13ファージの膜表面タンパク質cpIIIと融合された形で発現される。ファージ粒子単離後、ファージ抗体はFab部分がprotein Aと融合した形に変換できるように遺伝子が設計されている。抗体遺伝子をライブラリー化するに際しては、V領域のフレームワーク部分は一定の配列として抗原結合領域に相当する抗原相補性決定領域(CDRと略する)のみをポリメラーゼチェーン反応(PCR)を用いて多様化する。今回3x10^8の独立したクローンからなるライブラリーを作製し、その中に含まれるクローンの性質を解析した。ランダムに単離した20クローンについてその塩基配列を決定したところ予想通りCDR配列は多様化されていた。ニワトリ卵白リゾチーム(HEL)を抗原として抗HEL活性を有するファージ粒子を単離した。抗原へのファージの結合-ファージ粒子の回収-ファージの増殖、この一行程は2日間の作業だが、3回繰り返した後に回収されたファージより20個のクローンを単離した。その中で19個は抗HEL活性を示し、その結合力は10^6-10^7M^<-1>に分布した。抗HEL活性を示す抗体のCDR配列の中で約半分はユニークな残基であり、抗HEL活性を示す上で必須のアミノ酸部位と変異を許容する部位の存在が示された。今回作製したライブラリーは、元来抗HEL抗体であるD1.3を基にCDRの多様化を行っているので、このライブラリーに含まれる抗体でカバーできる抗原の種類には片寄りがあると思われる。そこで現在更に10種ぐらいの抗原について、最初CDR部分の移植(CDR-grafting)を行った後、それを多様化する作業を行っている。
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