研究課題/領域番号 |
06557041
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北畠 顕 北海道大学, 医学部, 教授 (00124769)
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研究分担者 |
千原 国宏 奈良先端科学技術大学院大学, 教授 (80029561)
山本 克之 北海道大学, 工学部, 教授 (10088867)
三神 大世 北海道大学, 医学部付属病院, 講師 (90250456)
川口 秀明 北海道大学, 医学部, 教授 (70161297)
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キーワード | 複合共振型探触子 / 超音波減衰率 / 超音波組織診断 / 不全心筋 / 心不全 / 心機能 / 心筋症ハムスター |
研究概要 |
本研究の目的は、数MHzから100MHzを越える帯域に至る極めて広い周波数帯域の超音波を発信しうる高周波複合共振型深触子を中心とする新しい超音波システムを開発し、心筋組織性状診断などへの応用をはかることである。 前年度に試作し改良を加えた高周波複合共振型深触子(2.5-約40MHz)を用いた信号解析システムを発展させ、広帯域超音波減衰係数測定システムの試作とソフトウエア開発を行った。また、その測定精度、システムの性能評価とともにヒトの各種病的心筋標本での計測を行った。まず、水・ホルマリンなどの各溶液および生体疑似ファントムの超音波減衰率の測定により、システムの信頼性、および超音波減衰係数の周波数依存性が測定可能であることなどを確認した。ヒト心筋における超音波減衰率は、広い範囲でα=af^bの回帰直線とよく一致し、正常心筋ではf^<1.6>、梗塞心筋ではf^<1.3>、拡張型心筋症心筋ではf^<1.2>に比例することがわかり、病的心筋においてべき乗項bが固有の値をとることが示唆された。すなわち、複合共振システムの広帯域超音波を利用することにより、外的条件に影響を受けにくい超音波心筋組織性状診断の新しい指標が得られるものと考えられた。 本年度はさらに、超高速周波帯域を含むさらに広い周波数帯域(10-150MHz)の超音波を発信しうる複合共振型探触子の開発に成功し、その心筋組織性状評価における有用性については現在検討を進めているところである。
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