研究課題/領域番号 |
06557046
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
成澤 邦明 東北大学, 医学部, 教授 (90004647)
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研究分担者 |
呉 繁夫 東北大学, 医学部, 助手 (10205221)
松原 洋一 東北大学, 医学部, 助教授 (00209602)
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キーワード | 糖原病1a型 / ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症 / 遺伝子解析 / 遺伝子診断 / アレル特異的PCR法 |
研究概要 |
1.日本人糖原病1a型の遺伝子診断;糖原病1a型はglucose-6-phosphatase(G6Pase)欠損は肝臓や腎臓に多量のグリコーゲンが蓄積する常染色体劣性遺伝疾患である。6例の日本人患者の変異解析を行い、2種類のミスセンス変異(R83H、P257L)、ナンセンス変異(R170X)および2種類のスプライシング異常(g727t、IVS1nt-1)を同定した。ミスセンス変異およびナンセンス変異のいずれも、Cos7細胞を用いた発現実験より病因であることが確認された。生検肝のmRNAのRT-PCRの結果から、g727t変異を持つアレルでは、スプライシングの際に、エクソン5の前半91bpが欠失することが確認された。同様の結果はリンパ芽球の異所性mRNAを用いても得られた。日本人患者での変異アレル頻度を見るために簡便なアレル特異的PCR法を開発した。これを用いて日本人患者20例を検討したところ患者20例、40アレル中34アレル(85%)がg727t変異であった。次いで多いのがR170X変異で3アレル(7.5%)検出された。これら2種類の変異を検出する遺伝子診断法で、日本人患者のほぼ90%が確定診断されたことになる。従来、糖原病1a型の確定診断には患者に負担のかかる肝生検が必須であったことから、遺伝子診断の確率は患者にとって副音であろう。 ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症の遺伝子解析;これまで日本人患者を中心に遺伝子解析を進めてきたが、本年度は欧米人の遺伝子解析を行った。新たに、V333E、T462I、D571N、G571S、de1T1876、de1The610、de1C2279及びスプライシング異常を同定した。これらの中には高頻度変異はなく、遺伝子診断には用いられない。
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